相続欠格とは

掲載日 : 2014年1月30日

相続欠格とは
相続欠格とは「相続人となることができない」場合(891条)です。
これに該当する者は、何ら手続を要せず、相続人ではなくなります。

相続欠格事由
民法891条は「相続人となることができない」相続欠格事由を定めており、各号の要点は、以下の通りとなります。

1号 相続人が故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた場合
2号 相続人が、被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず又は告訴しなかった場合
3号 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた場合
4号 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ、又は変更させた場合
5号 相続人が、相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した場合

ただ、1、2号と3乃至5号の制度趣旨は異なると解するのが分り易いでしょう。
すなわち、前者の趣旨は「被相続人らの生命を故意に侵害しようとしたことを理由とするもの」で「相続協同体というべき関係を破壊したことに対する制裁」であり、後者の趣旨は「被相続人の遺言行為に対する違法な干渉をしたことを理由とするもの」で「財産取得秩序を乱して違法に利得しようとしたことに対する制裁」と考えます(最3小判平成9年1月28日、判例解説〈民事篇平成9年度上〉120頁、窪田「家族法第2版」有斐閣374頁以下)。

このような欠格事由があることが明らかにならないまま、遺産分割がなされた場合には、
相続回復請求権(884条)の対象になります(この点については「相続回復請求権について」を参照ください。)。

ただ、代襲相続は認められている(887条2、3項、889条2項)ので、相続欠格者の子は相続人になります(相続廃除には、そのような規定はないので、相続廃除者の子は相続人になりません。)。

なお、相続欠格の規定は、受遺者に準用されます(965条)。

相続廃除との違い
相続欠格は何ら手続を要せず、相続人ではなくなります。
この点、相続廃除が、家庭裁判所への請求等を経て認められる(892条)のと異なります。
また、相続廃除と異なり、宥恕即ち廃除の取消し(894条)は明文では認められていませんが、これを類推適用すべきかどうかについては争いがあります。

【相続欠格の宥恕(ゆうじょ)】
被相続人が相続欠格者を許し、相続人になる資格を回復させる行為のこと。

【関連コラム】
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相続欠格事由5号に関する判例①判決の概要
続欠格事由5号に関する判例②二重の故意論の解釈

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【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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