相続人とは?養子縁組による二重資格の法定相続人

掲載日 : 2014年1月29日

相続人とは
相続人とされるのは、配偶者(890条)と子(887条1項)、直系尊属、兄弟姉妹(889条1項)であり、それぞれの順位が定まっています。

また、それぞれ法定相続分が以下の通り定められています(900条)。

  相続人 法定相続分
配偶者と子 各2分の1
配偶者と直系尊属 配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

なお、「子、直系尊属、兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しい」とされています。例えば、①で子が3人いるとき、配偶者は2分の1ですが、残りの2分の1については子が等しく相続分を有するため、各子の法定相続分は6分の1となります(1/2×1/3)。

【代襲相続】
子と兄弟姉妹が相続開始前に死亡等した場合、各々の子が代わって相続する仕組み(代襲相続)が認められています(887条2項、889条2項)。
ただ、子の場合は孫にも再代襲が認められ(887条3項)、それは曾孫、玄孫と続くものと解されますが、兄弟姉妹については再代襲の規定がないので、それ以上の代襲相続は認められません。このため、甥姪までは相続人たり得ますが、甥姪の子は相続人にはなりません。

二重資格の相続人
例1)祖父が孫を養子にした場合
例えば、自分の父が自分の子(父からは孫)を養子にした後、自分が死亡し次に父が死亡した場合の相続関係はどうなるのでしょうか。最近では、税務対策として養子縁組が検討されることもあるので、意外と存在し得る問題です。

この場合、自分の父の財産が1,200万円であったとして、これがどのように相続されるかですが、自分の子は自分の代襲相続人としての資格と自分の父の養子としての資格を有しています。
通説は、この二重資格を認め、自分の父の相続人としては自分の母以外に、自分の兄(弟姉妹)と(自分の代襲相続人としての)自分の子、(自分の父の養子としての)自分の子がいるとして、自分の子が400万円(≒1,200万円÷2÷3人分×2人分)を相続すると解しています。

例2)父母が嫁を養子にした場合
ただし、自分の父母が自分の配偶者を養子にした後、自分の父母が死亡して次に自分が死亡した場合の相続関係は異なります(自分の子はいないとします。)。

この場合に自分の財産が1,200万円であったとすると、自分の配偶者が900万円を相続することは明らかです(900条3号)が、残りの300万円がどうなるかです。
通説は、自分の配偶者に自分の兄(弟姉妹)としての二重資格を認めず、自分の兄(弟姉妹)が300万円を相続すると解しています。相続関係が直系の場合と傍系の場合とで異なると解されているということです。

いとこ、またいとこ
いとこ、またいとこは、相続人にはなりません。
最近は、子供のいない方も増えていますが、例えば老後の面倒をみてもらう人が、甥姪であるうちは相続という形でそれに報いることは可能ですが、いとこ、またいとこである場合は、それが出来ません。
そのような場合、遺言を書いておかないと「相続人が不存在」という事態になり、その財産は国庫に帰属するのが原則です(959条)ので、注意が必要です(そのような場合の法律関係については「身寄りのない人のための法律①相続人の不存在」を参照ください。

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【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

事務所HP :
http://www.m2-law.com/