株式上場について⑩特別利害関係者取引とは

掲載日 : 2014年1月15日

特別利害関係者との取引は、不当に利益が供与されるおそれがあり、また正当な対価を得ずに取引が行われることにより、上場申請会社の利益獲得機会が失われる可能性があることから、上場審査上、重点的に確認されます。
従いまして、特別利害関係者との取引は原則として解消することが求められます。

特別利害関係者とは
特別利害関係者とは以下の者をいいます。

  • 役員
  • 役員の配偶者及び二親等内の血族
  • ①及び②により総株主の議決権の50%超を所有されている会社
  • 関係会社及びその役員

                                

上場審査の対象となる取引
特別利害関係者との取引として上場審査の対象となる取引とは、無償の役務提供や債務保証、さらには形式的・名目的に第三者を経由した取引であったとしても実質上の相手先が特別利害関係者であることが明確な場合も含まれます。
(取引例)
・会社が不当に高く関係会社に商品販売をしているケース
・会社が不当に高く関係会社から商品仕入を行っているケース
・役員が会社に対して債務保証を行っているケース
・会社が役員の不動産を賃借しているケース

上場審査のポイントは以下のとおりとなります。
・利益操作が行われていなこと
・役員等の利得行為が行われていないこと
・取引が株価操作に利用されていないこと
・親会社等との独立性が保たれていること
・少数株主の利益が害されていないこと

特別利害関係者との取引の整備方法

  • 取引の解消
    最も早い整備方法であり、通常はこの取引の解消が求められます。
  • 取引条件の見直し
    特別利害関係者との取引条件を他の会社と取引する場合と同条件に見直すことです。この場合には、その見直した取引条件が通常の市場価格等と同じであることを立証できるような資料を整えておくことが必要です。
  • 人的・資本的なグループ関係の解消
    取引の相手方を特別利害関係者の範囲から除外することです。親子会社間での取引においては、子会社を吸収合併して解消することが多く見られます。

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【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪