株式上場について①メリット・デメリットと形式審査基準

掲載日 : 2014年1月1日

株式の上場につきましては、皆様のお客様の中にもご検討されている会社がおありかと思います。また、株式上場の検討はしていなくても、事業上、皆様のお客様の競合他社として上場会社が数多く登場してくることと思います。上場会社とはどのような会社か、また、どのような過程を経て株式上場ができるのかといったことをご参考にしていただければと思います。

新規上場会社数の動向
2013年の新規上場(IPO)社数は、2012年から10社増加し58社(TOKYO PRO Marketを含む)となり、4年連続の増加となりました。2014年の新規上場はさらに増加する見通しであり、70~80社になると予想されています。
市場別では、東証マザーズが29社と半分を占めました。また地域別でみますと、半分近くの26社の本店所在地が東京都以外となっており、地方からの株式上場も多くみられるようになってきています。

上場のメリット

  • 資金調達能力の拡大と財務体質の強化
    資本市場から資金調達することが可能となる(直接金融)とともに、信用力増大により銀行からの借入(間接金融)におけるハードルも低くなる。
  • 知名度の向上と社会的信用力の増大
    マスメディア等を通じて会社の知名度がアップするとともに、社会的な信用度も増し、営業面で条件的に有利になることも期待できる。
  • 優秀な人材の確保
    安定性、将来性のある会社として評価され、優秀な人材の応募が増加することが期待できる。
  • 企業運営の効率化
    上場準備の過程で内部管理体制や経営管理体制を整備することにより、企業基盤の強化を図ることができる。
  • 従業員のモチベーションアップ
    ストックオプションや従業員持株会制度を導入することにより、キャピタルゲイン等の利益を享受することができるとともに、「上場企業で働いている」ということで、勤労意欲の向上につながる。

上場のデメリット

  • 企業経営の開示義務
    企業活動での重要事項はタイムリーに開示する必要がある。
  • 株主総会対策の必要性
    非上場会社ではいわゆるシャンシャン総会で済んでいたものが、上場すれば適切に株主総会を開催する必要があり、準備や対策に時間とコストがかかる。
  • 事務コストの増大
    取引所や証券会社、監査法人に対して、新規上場費用や上場維持費用がかかる。
  • 同族経営からの脱却
    オーナーがすべて決定していた事項も株主総会や取締役会等の会議体で決定していく必要があり、オーナーの自由度が下がる。

市場別の形式基準
株式を上場するにあたり、最低限クリアーしなければならない形式的な基準は市場別に以下のとおりとなります。

なお、利益管理体制や組織管理体制など、証券会社や取引所で審査対象となる内部管理体制についての実質的な基準につきましては、次回以降のコラムでご紹介していきたいと思います。

【関連コラム】
株式上場について②スケジュールと実質審査基準
株式上場について③利益管理体制の整備と留意点
株式上場について④業務管理体制の整備(1)
株式上場について⑤業務管理体制の整備(2)
株式上場について⑥組織管理体制の整備
株式上場について⑦会計に関する事項
株式上場について⑧J-SOX(内部統制)とは
株式上場について⑨J-SOX(内部統制)法の整備ですべきこと
株式上場について⑩特別利害関係者取引とは

【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪