残置物の所有権放棄の特約は有効か(賃貸借契約)

2020年5月7日
カテゴリー : 不動産賃貸

賃貸マンションを経営しています。
夜逃げした賃借人が置いていった物を私が勝手に処分することは違法であり、法的な手続きを踏むことが必要と聞きました。

法的な手続きには時間と費用が必要であり、次の賃借人を早く入居させなければ賃貸経営も苦しくなります。
そこで、賃貸借契約書に、「退去後に残置された賃借人の所有物については、賃借人はその所有権を放棄したものと見做す」という特約を入れて、残置物の処分を私がしたいのですが、有効でしょうか。

40代 男性

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専門家の回答

弁護士 浜本 光浩 先生の回答

浜本綜合法律事務所

回答

賃貸借契約書の特約は、当事者が合意していれば、原則として自由に定めることができますが、特約が公序良俗に違反する場合には無効となることから、この特約は、賃借人の建物の占有を侵害しない態様での処分に限り有効なものになると解するべきです。

ご質問の夜逃げの場合は、賃借人が建物の占有を放棄したとは言い切れず、賃借人に無断で残置物処分のために建物に立ち入ることは、賃借人の建物の占有を侵害するものとされるおそれがあり、特約を根拠に残置物を処分することが認められない可能性があります。したがって、賃貸借契約書にこの特約を入れておくことは有益ですが、この特約がいつでも有効であるという前提で対応するのは大変危険です。

解説

賃貸借契約がまだ終了していない場合(夜逃げや行方不明など)、まずは以下の法的な手続きが必要となります。この手続きを経ずに残置物の処分を行うと、損害賠償請求をされる場合もありますので注意して下さい(自力救済の禁止)。
①賃貸借契約の終了
②明け渡し訴訟の勝訴判決
③滞納賃料に基づく差押え

【参考】
賃借人の残置物の強制撤去①賃貸借契約が継続している場合

補足

賃貸借契約書にこの特約を入れていない場合には勿論のこと、この特約を入れている場合であっても、退去時の原状回復(部屋を入居時の状態に戻すこと)の確認にあたっては、賃貸人と賃借人が立会いのもと、残置物の有無を併せて確認し、残置物があれば、その所有権を賃貸人に譲ってもらう等、残置物の処理をしておくことをお勧めします。

回答日:2020年5月7日

弁護士
浜本 光浩
浜本綜合法律事務所