隣地との間に塀を築造した場合の費用の負担

2017年9月7日 カテゴリー : 近隣・境界トラブル、法律と不動産

一戸建てに住んでいます。
隣人から、私の敷地との間にある塀を作り直す、とのことで承諾を求められました。
私は別にどちらでも良かったので、承諾しました。
ところが、塀の工事が終わった後、工事費の半額を隣人から請求されました。
塀の築造について、承諾を求められた際、工事費を分担することについては言及されなかったため、 納得が行かず、私は強く拒否しました。
隣人はそれ以上の要求はしてきませんでしたが、本当は支払うべきだったのでしょうか。

40代 男性

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専門家の回答

弁護士 三村 雅一 先生の回答

アクシス国際法律事務所

回答

1.工事費については、所有者が負担することが原則であるため、相談者が工事費を負担すべきだったかどうかを判断するに当たっては、塀の所有者を確定する必要があります。

まず、作り直す前の塀が隣人の所有であった場合には、費用を負担する必要はありません。また、塀が相談者所有であった場合には、工事費については相談者が全額負担することが原則です。

次に、塀が隣人との共有である場合には、塀を作り直す理由によって判断が分かれると考えます。
①その塀が老朽化等によりもはや塀としての本来の効用を果たしていないような場合で、かつ、新しい塀についても隣地との境界線上に設置される場合
新しい塀についても共有となるため(民法第229条)、相談者もその半額を負担することが法の趣旨に合致すると考えられます(民法第226条参照)。この点、民法第226条は、空地に新たに塀を設置するという場面を想定した規定ですが(民法第225条)、客観的に塀の再築の必要性が認められる①の場面において、相談者の承諾の下で行われた塀の再築である以上、民法第225条の場面と同視することが可能であると考えます。もっとも、その際負担する費用については、制限がある(民法第225条2項、第227条)と考えるべきでしょう。
②その塀に客観的な再築の必要性が認められないものの、隣人が塀の再築を求めた場合
この場合には、相談者は工事費用を負担する必要はないと考えます。あくまで相談者の承諾は、隣人が自身の費用で塀をより良いものにする、という点に関する承諾であると考えられます。

2.この点、塀の所有者が不明である場合、民法第229条は、「境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。」と定めています。したがって、問題となっている塀が隣地との境界線上に設置されている場合には、塀を立てる際に費用を支出した人が明らかにならない限り、作り直す前の塀は隣人との共有ということになります。

3.なお、現時点で隣地との間に塀が設置されておらず、これから新たに塀を設置するというケースの場合、民法は、その費用を隣人と折半の上でその境界に塀を設置することを認めています(民法第225条、226条)。

また、その際、どのような塀を設置するかについて両者で協議が調わない場合には、高さ2mの板塀、竹垣、またはこれらに類する材料の塀が設置されることとなります。(民法第225条2項)。

なお、当事者の一方が、上記よりも良い材料の使用や高さを増すことを望む場合には、その増加額を負担しなければなりません(民法第227条)。

4.本件において、隣人から承諾を求められた際の具体的な協議内容によって結論が左右され得るものの、再築の客観的な必要性の有無が判断の大きな要素となると考えます。民法に定めがあるとは言え、紛争予防のためにも書面で合意内容を残しておくことをお勧めします。

回答日:2017年9月8日

弁護士
三村 雅一
アクシス国際法律事務所