中古不動産の購入時に行う修繕・改装費用の会計処理

2017年8月21日
カテゴリー : 税金と不動産

先般、中古の収益物件を購入しました(鉄筋コンクリート造、建築後約30年)。
建物全体として老朽化が進んでいたので、屋上防水や小さな修繕が必要でした。
また、その他一部改装も行っています。
このように、中古不動産の修繕や改装を行った場合、耐用年数の判断、損金として費用化できるのかについて教えて頂けますか。

40代 男性

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専門家の回答

税理士 東 健司 先生の回答

ALMA会計事務所

回答

物件の使用可能期間を延長させたり、価値を増加させたりする改装等は「1個の資産(資本的支出)」として減価償却を行い、物件の維持管理や原状回復のために行った改装等は「経費(修繕費)」として計上することが可能です。また、簡便的に金額による判断を行うことも可能です。資本的支出とされた場合には、元の物件の耐用年数によって減価償却を行うこととなります。

解説

物件の修理、改良等のために支出した金額のうち、その物件の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した時に経費計上(損金算入)が認められます。

ただし、その修理、改良等が物件の使用可能期間を延長させ、又は価値を増加させるものである場合は、その延長及び増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず、資産計上(資本的支出)となります。

修繕費になるかどうかの判定は修繕費、改良費などの名目によって判断するのではなく、その実質によって判定します。

例えば、次のような支出は原則として修繕費にはならず資本的支出となります。

  • 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
  • 用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
  • 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額

ただし、一つの修理や改良などの金額が20万円未満の場合又はおおむね3年以内の期間を周期として行われる修理、改良などである場合は、その支出した金額を修繕費とすることができます。

次に、一つの修理、改良などの金額のうちに、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合には、次の基準によりその区分を行うことができます。

  • その支出した金額が60万円未満のとき又はその支出した金額がその物件の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10%相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
  • 法人が継続してその支出した金額の30%相当額とその物件の前事業年度終了の時における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときは、その処理が認められます。

また、災害により被害を受けた物件(被災資産)について支出した金額については、別途取り扱いがあります。

回答日:2017年8月21日

税理士
東 健司
ALMA会計事務所