生前贈与のメリットとデメリット

2017年6月22日
カテゴリー : 相続・遺言

相続税対策のため、生前贈与を検討しています。
生前に贈与をしていけば、相続税を少なくできる場合があると聞いています。

私は2人の子供がいるので(妻は死亡)、毎年500万円ずつ現金で贈与を行いたいと思っているのですが、メリットとデメリットを教えて貰えますか。

50代 男性

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専門家の回答

税理士 成田 佳大 先生の回答

税理士法人グローバルマネジメント

回答

生前贈与をうまく活用すれば、相続時の財産が減少し、結果として相続税を少なくできる場合があります。
ただし、一度に多額の贈与をした場合には、贈与税の負担が重くなりますので、計画的に贈与をすることがポイントとなります。
今回のご質問では、年間500万円の現金の贈与ということで、贈与税の実効税率が10.6%(一定の要件を満たす場合には9.7%)となります。将来の相続税率がこの税率を超えている場合には節税の効果があるといえます。

解説

メリット
①110万円までは課税されない
受贈者(贈与を受ける者)1人につき、110万円までは贈与税が課税されません。結果110万円以内の贈与財産について無税で財産の移転をすることができ、その財産の部分については将来の相続税額も減らすことができます。

②計画的な利用で多額の財産の移転が可能
贈与税は110万円までは贈与税がかからないため、年数をかけて多額の財産の移転が税額を発生させずに行うことができるので、節税の効果が見込めます。
例)受贈者4人に毎年110万円を10年間にわたり、贈与すれば、4,400万円の財産の移転が可能です。
(もし将来の相続税率が40%ゾーンならば4,400万円*40%=1,760万円節税の効果)

また、贈与税が発生する場合でも、生前贈与のメリットがある場合があります。
例)年間310万円の贈与の場合、贈与税額は20万円(実効税率約6.5%)。将来の相続税がこの税率よりも高い場合、贈与税を支払っても贈与する方が得となります。

③将来の税制改正等に左右されない
贈与税については、贈与年の税法によって課税されます。将来税法がどのように改正されるかわからないといった不確実性によるリスクを回避できます。

④任意のタイミングで相続時精算課税制度へ移行できる
贈与については、相続時精算課税制度という制度もあります。将来値上がりすると見込まれる財産などについては、この規定が有利になるケースもありますが、一度選択すると撤回することができません(毎年110万円の基礎控除が使えなくなります)。
しっかりと計画を作成し、有利な方法を適切なタイミングで行使することで、節税の効果を最大限利用することができます。

デメリット
①短期間の対策での効果は低い
相続税とは異なり、贈与税は税率が高く設定されています。
仮に、急いで一度に多額の財産を贈与する場合、税負担が重くなります。

相続税 法定相続分に応ずる各人の取得金額が6億円を超える場合は最高税率55%
贈与税 基礎控除後の課税価格が3,000万円(一定の場合4,500万円)を超える場合は最高税率55%

②定期金のみなし贈与と認定される可能性
贈与者(贈与を行う者)と受贈者の間で、今後5年間にわたり、毎年110万円ずつ贈与するという契約を行った場合、1年ごとに贈与税の計算をするのではなく、契約時に一括で550万円の贈与があったものとして贈与税が課せられるため、注意が必要です。
なお、この契約は口頭、書面を問いません。
「定期金に関する権利の評価(相続税法第24条)」

③生前贈与加算
相続開始前3年以内の贈与については、その財産の価額は相続税の課税価格に加算されます(相続税法19条)。また、加算される財産の価額は贈与時の価額となります。
つまり、相続開始前3年以前までの贈与では、意味をなさないものとなります。
(贈与税額控除という規定は別途ありますが、贈与税について相続税の先払いをしているという扱いになり、あくまでその財産については相続税の課税対象となり、相続税の税率を適用します。)
この規定は相続又は遺贈により財産を取得した者以外には適用しませんので、これらの事由により財産を取得しない相続人以外の者(代襲相続人でない孫、相続人である子の配偶者など)に贈与した場合、生前贈与加算の規定がないため、これらの者への贈与も検討しても良いかもしれません。

補足

①贈与税の申告
その年に110万円を超える贈与があった場合、原則として、受贈者がその翌年の2月1日から3月15日までに、贈与税の申告と納税をする必要があります。

②基礎控除の額
1年間に複数の者から贈与を受けた場合であっても、受贈者一人あたり年110万円となります。

③特例税率と一般税率
贈与の年1月1日において20歳以上の受贈者が直系尊属から贈与により財産を取得した場合は、その取得した財産は特例贈与財産となり、一般税率に代わり、特例税率を用いて贈与税額を計算します。(一般税率対象の資産の贈与も同一年に行われた場合は、一定の調整計算を行います。)

回答日:2017年6月22日

税理士
成田 佳大
税理士法人グローバルマネジメント