不動産を残したまま借金を清算したい

掲載日 : 2012年9月24日

借金の問題に悩まされている方は多くいらっしゃいますが、その解決の方法には以下の3つの方法があります。

①自己破産
②任意整理
③個人民事再生

自己破産
自分の手持ちの財産のすべて(現実の生活のために残せる財産の基準は裁判所の基準で決まっています)を債権者に平等に支払ってしまい(「配当」)、支払うものが全くない場合には「免責決定」を受けて、残った債務についてはすべて払わなくてよいことにしてもらう手続です。
もともと、債権者に支払える財産が全くない人も多く、簡単に言うと「借金をチャラにしてもらう手続」といってもよいでしょう。免責は誰でも受けられるわけではなく、誠実な債務者に対して一度だけ与えられる経済的再生を図るチャンスであり、ギャンブル等の浪費で多額の借金を作った債務者は受けることができません。

任意整理
簡単に言うと、今残っている債務を前提として、その支払条件を変更してもらうための交渉です。
利息をなくしてもらい、元金だけを3年間に分割してもらって返済する、等が一般的ですが、最近は、元金だけでよいという業者も減ってきています。ですから、まだ借金の額が少ない方に適した手続と言えます。

個人民事再生
住宅ローンはそのまま支払い続けることができるのだけれど…という方に適した手続です。
安定収入があること、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないことが絶対条件であるほか、細かな要件はありますが、一言でいうならば「住宅ローンはそのまま払い続ける。住宅ローン以外の借金の8割(最大)をカットしてもらって、それを3年(ないし5年)で返済する」という手続です。
たとえば、住宅ローン以外に消費者金融等に500万円の借金がある、というような方は、その500万円を100万円に圧縮してもらい、100万円の部分を3年間で分割して返済すればよいことになります。100万円を3年分割で支払うのですから、1か月あたりの返済額は28,000円弱です。

住宅ローンのない方でも、「自己破産まではちょっと…」とためらう方が、債務を最大5分の1にカットしてもらうためにこの「個人民事再生」の手続を選択することもあります。
自己破産と異なり、借金の原因が浪費等であっても、債務カットの恩恵を受けられることも特徴です。

【コラム執筆者】
フォーゲル綜合法律事務所 堺事務所
弁護士 藤田 さえ子