相続時精算課税制度とは?②注意点と暦年課税の比較

掲載日 : 2015年12月6日

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。
一定の要件に該当する場合には相続時精算課税制度を選択することができますが、以下の点に留意する必要があります。

相続時精算課税制度の注意点
1)小規模宅地等の特例が適用されない
相続時精算課税制度を選択した場合、相続時において小規模宅地等の特例を受けることができません。
このため、相続時に小規模宅地等の特例を受けた方が有利な土地については、この制度を選択しない方が良いでしょう。なお、相続開始前3年内に贈与により取得した宅地等は相続税の対象となるため(生前贈与加算の対象となる宅地等)、留意する必要があります。

2)不動産(住宅)の贈与は節税の可能性がある
不動産を贈与したい場合、現金を不動産の取得資金として贈与するよりも、贈与者が不動産(住宅)を建築し、不動産を贈与する方が財産評価を低く抑えることができ、相続税上有利となります。
なお、一定の要件に該当すれば、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度の活用も検討することができます。

3)受贈者が孫の場合、相続税で不利になる可能性がある
祖父(贈与者)が孫(受贈者)への贈与に関して相続時精算課税を適用し、祖父に相続が発生した場合、孫は相続税の2割加算の対象となる。
※孫が法定相続人でない場合

4)制度の改正
相続時精算課税制度を選択し、贈与対策をした人も、将来において相続税や贈与税の改正があった場合、不利になる可能性も考えられます。

暦年課税の比較
相続時精算課税制度を一度選択すると、暦年課税制度への変更は認められません。
暦年課税との比較を行い、十分検討を行ってこの制度を選択する必要があるでしょう。

  暦年課税 相続時精算課税制度
控除額 毎年110万円 2,500万円
贈与の回数 制限なし 控除額まで何回でも可能
贈与者 条件なし 60歳以上の父母・祖父母
受贈者 条件なし 20歳以上の子又は孫
手続き 贈与額が110万円を超えた場合、確定申告 最初の贈与時に選択届出書と確定申告。その後贈与があった都度確定申告
留意点 贈与時に課税が完結(※) 途中で制度の変更はできない。

※相続開始前3年内の贈与については、相続税の課税価格に算入される場合あり(生前贈与加算の適用)。

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大