相続時精算課税制度とは?①贈与税の特例

掲載日 : 2015年11月29日

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、以下の一定の要件に該当する場合、「相続時精算課税」を選択することができます。

相続時精算課税制度とは
親の所有する資産を早期に子に引き継いでもらい、消費を活性化させる目的で平成15年に創設されました。

この制度を選択した場合、贈与した時に最高2,500万円の控除を行うことにより贈与時点における税の負担が軽減されます。ただし、その後に贈与者が死亡した際、相続税の計算にあたって、贈与財産を含めて相続税を計算することになります。この場合、相続税と既に支払った贈与税との差額について支払う(または還付を受ける)ことになります。

つまり、相続時精算課税制度を選択して支払った贈与税は、相続税の仮払いのような性格を有すると言えるでしょう。
このように相続時に税金を精算するため、原則として相続税対策として利用するものではないものの、利用の方法により税金負担を有利にすることができると言えるでしょう。

1)対象者
贈与者(贈与を行う者) :60歳以上の父母又は祖父母など。
受贈者(贈与を受ける者):20歳以上の者のうち、贈与者の子又は孫など。
※いずれも、贈与を行った年の1月1日における年齢

2)控除額と税率
控除額は2500万円で、税率は一律20%です。
2500万円までの贈与には贈与税がかかりません。また、この控除額は贈与を行う複数年にわたり利用することができます。

3)適用財産など
贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
現預金や不動産などの財産をミックスさせることができ、また1度に限定されず、複数回にわたり適用することが可能です。
すなわち、相続が発生するまで何回に分けて贈与をすることができます。ただし、その都度贈与税の申告をする必要があります。

4)留意点
受贈者は贈与者各人ごとに選択が可能です。
例えば、父母から贈与を受けた場合、父親からの贈与はこの制度を利用し、母親からの贈与は暦年課税の方法を利用することが可能です。
ただし、この制度を一度選択すると、選択をした年分以降その贈与者から贈与を受けるすべての財産については暦年課税に変更することができません。

相続時精算課税制度の申告
この制度を選択する場合、受贈者は最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告を行う必要があります。
また、申告と同時に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります(この届出が無いとこの制度は受けることができません)。

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大