土地賃貸借(借地)契約の解約と更新拒絶~正当事由とは~

掲載日 : 2015年11月7日

土地賃貸借における契約期間(借地期間)の満了にあたって賃貸人が契約の更新拒絶をするとき、または契約期間の途中で解約するためには、「正当事由」が必要となります(借地法4条、借地借家法5条)。

正当事由とは
賃借人が地代不払いなどの契約違反をしていて、賃貸人と賃借人との信頼関係が破壊していると認められる場合、賃貸人は賃貸借契約を解除することができるでしょう。しかし、賃借人に契約違反などが無い場合において、賃貸人が更新拒絶や解約申入れをするには、賃貸借契約を終了させても仕方がないであろう理由、「正当事由」が必要となります。

借地契約が居住用の場合には生活の基盤、または事業用の場合は事業基盤として利用されています。契約更新できるか否か賃貸人の判断のみに基づくとなれば、賃借人の生活・事業が脅かされかねず、賃借人は常に更新拒絶、解約や立退き要求の心配をしなければなりません。

このため、借地借家法は賃借人保護の観点から、賃貸人に更新拒絶するための「正当」な理由が要求しています。

借地借家法における正当事由
旧借地法においては、「土地所有者(貸主)が自ら土地を使用することを必要とする場合、その他正当の自由」と規定されているのみでした(借地法4条1項)。
また、正当事由の例として、貸主の自己使用の必要性しか挙げられておらず、「正当事由」が明確に把握できませんでした。

そこで、借地借家法においては、借主保護の観点から「正当事由」を明確化しました。
具体的には、以下4つの判断基準を挙げています。このうち、①が重点的に考慮され、②③は参考として、また④は補完的に考慮されることが一般的です。

正当事由の
判断基準
①貸主と借主が土地の使用を必要とする事情
②借地に関する従前の経過
③土地の利用状況
④立退料の支払いをする旨の申出

正当事由の判断
実務的には、正当事由があるとして賃貸人が賃貸借契約の終了を根拠として、建物の収去と土地の明渡しを請求するための調停・裁判をおこし、裁判所でこの正当事由が判断されることになります。

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【コラム執筆者】
佐々木・魚谷法律事務所
弁護士 魚谷 和世