土地の賃貸借契約④借地契約の更新拒絶

掲載日 : 2015年10月10日

土地賃貸借における契約期間(借地期間)が満了するにあたり、合意更新においては、賃貸人(地主)と賃借人(借地権者)の双方が意見を述べる機会があります。
ただし、法定更新にあたって、賃貸人が更新を拒む意志がある場合、「遅滞なく」異議を申し出る必要があります。

遅滞なくとは
土地の賃貸借の場合、建物の賃貸借のように期間満了の6か月前に更新拒絶をする必要はありません。
では、「遅滞なく」とはどのような場合を指すのでしょうか。

  • 賃借人の更新請求
    賃借人側から更新を請求してくる場合、契約期間の満了の前後と想定されます。
    もちろん、更新に応じるか否かを考慮する時間は考慮されるべきですが、賃貸人は賃借人に回答する必要があるでしょう。
    この場合、数か月も放置状態が続くと遅滞と認定され、賃借人からの更新請求による更新(法定更新)と見做されるでしょう。
  • 継続使用
    契約期間が満了しても、なお賃借人が継続して土地を利用している場合においては、期間満了後おおむね3か月以内に異議を述べれば遅滞と見做されないでしょう。
  • 契約時期が相当古い場合
    昭和初期など賃貸借契約の締結をした時期が相当古い場合、契約書や覚書といった書面がない契約が多く見られます。また、締結当時の当事者(貸主・借主)が死亡して、代も変わっていて、契約の期間満了がいつなのか明確に分からない場合もあります。
    このような場合、1年以上経過した後に地主が異議を述べた事案についても遅滞ないと判定されています(昭和39年10月16日最高裁判決)。

更新拒絶の方法
賃貸人が更新を拒絶したい場合、その方法については明確に規定されておらず、特別な方式にのっとる必要はありません。更新拒絶についての何らかの意思表示をすれば良いでしょう。
例えば、賃貸人が賃借人に対して、土地(借地)を明け渡すように請求することにより、更新拒絶の意志を表示してものと見做されます。
また、契約期間が終了したものとして地代を受領しないことも更新拒絶の意志を表示したと言えるでしょう。

確かに、更新を拒絶したり、異議を述べる場合には「正当事由」が必要となります。ただし、更新拒絶の意志を表示する場合、正当事由まで借主に伝える必要はありません。

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【コラム執筆者】
佐々木・魚谷法律事務所
弁護士 魚谷 和世