土地の賃貸借契約①借地権とは(旧法と新法)

掲載日 : 2015年9月19日

土地の賃貸借は世間一般でひろく行われており、土地を借りていれば、「借地権」という言葉が用いられています。
ただし、法律における「借地権」は以下の通り、限定的なものになります。

借地権とは
借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または賃借権をいいます。
すなわち、借地権とは他人の土地を借りて建物を建てる権利であり、通常は地主(土地所有者)に地代を支払うことにより、他人の土地を利用することになります。
借地権を利用して建築する建物は居住用か事業用かを問わず、戸建住宅、マンション、店舗など様々な建物に対して利用されています。

なお、駐車場や資材置き場など、建物の所有を主たる目的としない場合、法律上は借地権といいません。
借地権の種類~地上権と土地賃借権の違い~

土地賃貸借に適用される法律
土地の賃貸借には、民法、借地法(旧法)、借地借家法の適用があります。
借地権は、原則として借地法(旧法)と借地借家法(新法)が適用されます。ただし、これらの法律に規定されていない事項については民法の規定を受けることになります。

なお、ここでいう借地権は建物の所有を主たる目的とするものであるところ、建物の所有を主たる目的としない駐車場などの土地賃貸借は民法が適用されます。

旧法と新法
現行の借地借家法(新法)は、借地法と借家法を統合することにより平成4年8月1日に施行されました。同時に旧法である借地法や借家法、その他建物保護法は廃止されました。

平成4年8月1日以降に締結された賃貸借契約には借地借家法が適用され、それ以前に締結された賃貸借契約には借地法(旧法)が適用されます。
なお、平成4年8月1日以降に更新された契約についても新法は適用されず、借地法(旧法)のままです。
このため、新法の施行前から成立している既存の借地関係については、概ね新法により規定を適用せず、旧法の規定の大半をそのまま適用することになっています。

定期借地権
旧来の土地賃貸借(借地)契約においては、借地権者に対する手厚い保護があり、貸主は一度貸した土地について契約解除することは難しい側面がありました。
この点、借地借家法(新法)では土地賃貸借契約に更新の概念がない「定期借地権」が制定されたことが特色と言えるでしょう。
ただし、依然として、旧法と同様の更新の概念がある借地関係を期待する貸主と借主の存在にも配慮し、更新の概念がある借地権も引き続き借地借家法で規定されており、これを「普通借地権」と呼び、定期借地権と区別しています。

したがって、現在世の中には以下のような借地権が存在することになります。

借地権の種類

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【コラム執筆者】
佐々木・魚谷法律事務所
弁護士 魚谷 和世