不動産所得の総収入金額とは?計上の時期

掲載日 : 2015年7月22日

不動産所得は、次のよう計算されます。

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

総収入金額
総収入金額には、賃料収入の他、以下のものを含みます。

  • 敷金、権利金、礼金など
    賃貸借契約時に授受するもので、賃借人の退去時に返還を要しないもの
  • 名義書換料、建替承諾料、更新料など
    賃貸借契約締結後に授受するもの
  • 共益費など
    水道光熱費、清掃費など

賃料収入として計上すべき時期
【原則】

  • 契約又は慣習によって賃貸料の支払日が定められているものについては、その支払日
    例えば、賃貸借契約で「毎月月末までに翌月分の賃料を支払う」と定められていたら、毎月月末が収入すべき日、ということになります。
    仮に月末までに賃料が未収であった場合も、収入に含めなければなりません。
  • 支払日が定められていないものについては、その支払いを受けた日(請求払によるものは請求の日)
    賃貸借契約に支払日の定めがない場合を指します。近年の契約形態ではほとんど見かけなくなりました。

【例外】
さて、上記原則での「毎月月末までに翌月分の賃料を支払う」という、近年最も多い賃貸借契約形態の場合、次のような疑問点が生じると思います。
「H26.12月末日の入金分はH27年1月分の賃料だけど、H26年分の収入に含めるの?」
――–はい、原則では確かに、H27年1月分の賃料はH26年分の収入金額に含めます。しかし、例外措置として、●月分賃料と対応する分をその月の収入金額とする経理処理も認められています。
つまり、H27年1月分~12月分の賃料を、H27年分の収入金額とする対応させる方法です。
ただしその場合、帳簿要件として、前受賃料分を継続的に経理し、確定申告書に記載する必要があります。

家賃が供託された場合(値上げ)
賃貸人が賃料の値上げを求め、裁判または調停で係争中である場合、賃借人が賃料を供託することがあります。
まず値上げ前の賃料分については、毎月の収入金額に計上する必要があります。供託されているので、手元に賃料収入は入金されませんが、税務上は収入金額を認識する必要があるのです。
そして、判決や和解などにより供託金額を超えて賃料が決定した場合、その供託金額を超える部分については、その係争が解決した日が収入の時期となります。

家賃が供託された場合(値下げ)
今度は値下げのケースです。まず値下げ前の賃料分については、上記値上げのケース同様、毎月の収入金額に計上する必要があります。
判決や和解などにより供託金額よりも低く賃料が決定した場合、賃貸人は減額相当額を賃借人に返還する必要があります。返還した金額は、これは不動産所得の必要経費に算入することができます(事業的規模の場合のみ。事業的規模でない場合、過年度の更正の請求手続きが必要。)。

【コラム執筆者】
MAX綜合会計事務所
税理士 山崎 景一