担保権の実行としての競売のながれ

掲載日 : 2015年7月3日

競売の申立て

債務の支払期限(弁済期)が到来しているにもかかわらず、債務者が債務の返済をしていない場合、抵当権者(金融機関や保証会社など)は担保権の実行としての競売の申立てを裁判所に行います。

競売開始決定

抵当権者(金融機関や保証会社など)が裁判所に競売の申立を行うと、裁判所はこれを審査し、競売手続の開始及び不動産の差押えを決定します。競売開始が決定されると、債務者にその旨が送達され、登記所に嘱託されて差押えの登記が行われます。

また、裁判所は、評価書を基礎として売却基準価額を決定し、物件明細書、現況調査報告書とともに裁判所に備えられます。これは俗に競売の3点セットと言われ、誰でも閲覧することができます。

評価書
(売却基準価額)
評価人が不動産の適正価格を評価したもの
売却基準価額を算出する基礎となる
物件明細書 不動産を買受けたときに引き継がなければならない権利等が記載されたもの
現況調査報告書 調査時点での現況について記載されたもの
執行官が土地建物の形状や占有状況などを調査して作成
入札・開札と売却許可の決定

売却の方法には、期日入札、期間入札、競り売り及び特別売却がありますが、現在最も多くとられている方法は期間入札です。

期間入札の公告は裁判所の掲示板等に掲示されます。この公告に、売却される不動産、入札期間、開札期日及び場所、売却基準価額、買受可能価額、買受の申出に必要となる保証額や提供方法等が記載されます。

入札に参加するためには必要書類に記載の上、入札書に入札価格を記入して提出します。また、入札に参加するにあたり、売却基準価額の20%程度の保証を裁判所の預金口座に振り込む必要があります。買受人になったにもかかわらず、期日までに残代金(売買代金から支払い済みの保証を差し引いたもの)の納付がない場合は、不動産を買い受ける資格を失うとともに、保証の返還を受けることもできなくなります。

入札期間が終了すると、開札期日に開札が行われ、最も高い入札価格をつけた者が最高価買受申出人となります。
そして、裁判所は最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有するか否かを確認し、資格を有すると判定した場合、売却許可決定をします。

代金の納付と登記

買受人は、裁判所が定めた期限内に残代金を納付し、不動産の所有権を取得します。
残代金が納付されると、裁判所は登記所に対し、買受人に所有権の移転登記をするように嘱託します。同時に、買受人が引き継ぐ必要があると物件明細書に記載されている権利以外の不動産にかかる権利の登記をすべて抹消するように嘱託します(不動産に設定されていた抵当権はすべて消滅します)。

配当

競売代金は、裁判所の作成した配当表に基づき、登記順位に従い、優先的に配当を受けうる抵当権者等に優先的に配当されます。優先的に配当を受けうる抵当権者等への配当を終えた結果、残額がある場合には、その残額は債権額に応じて、その不動産に関して何らかの権利主張を行っていた一般債権者に配当されます。それでもなお残額がある場合には債務者に返還されます。

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【コラム執筆者】
きっかわ法律事務所
弁護士 浜本 光浩