担保権の実行としての競売とは?強制競売とは?

掲載日 : 2015年6月25日

競売とは
多数の申出人に対して買受の申出を促し、最も高い価額の申出をした者に売却する売買契約の方法を言います。

競売には、①国税徴収法による競売(公売)、②民事執行法による担保権の実行としての競売及び強制競売などがあります。このうち、最も件数が多く、よく知られているのが、裁判所が公的に売却を実施する「担保権の実行としての競売」でしょう。

担保権の実行としての競売とは
担保権の代表的なものは、抵当権です(根抵当権を含む)。
住宅ローンなどの借入をするにあたり、債務者(借主)や保証人の信用のみでは十分な信用を得られない場合、債権者(金融機関や保証会社など)は不動産に抵当権を設定します。
債務者の返済が滞った場合、債権者(抵当権者である金融機関や保証会社など)は、抵当権を設定した不動産について、裁判所を通じて公的に売却し、その売却代金をもって貸金を回収することになります。これを担保権の実行としての競売といいます。

不動産などについての担保権の実行としての競売の事件記号は「(ケ)」ですので、「平成27年(ケ)第123456号」といった事件番号が付されることになります。

なお、返済が滞ったからと言って、直ちに競売となる訳ではありません。通常、金融機関は、まず不動産を売却して、その売却代金をもって返済に充てるように所有者に勧めます(任意売却)。ただし、任意売却がうまく進まないなどの事情があるときには、金融機関も貸金を回収する必要があることから、裁判所に競売の申立てをすることになります。

強制競売とは
債務者が債務の履行を怠った場合に、債権者が債務者の財産を差し押さえることにより行われる競売をいいます。

債権者は、判決や公正証書などの債務名義に基づいて、裁判所に申立てを行い、債務者や保証人などの所有する不動産を強制的に売却することになります。

現在の日本では、債権者が債務者から強引に金銭等を回収することは禁止されており、公の強制力により債権回収を行うことになります(強制執行)。この強制執行のうち、不動産に対する強制執行で、売却により強制的に換金する手続きが強制競売であり、債務者の意思は反映されず、裁判所の命令で手続きが進みます。

なお、不動産などについての強制競売の事件記号は「(ヌ)」ですので、「平成27年(ヌ)第123456号」といった事件番号が付されることになります。

【関連コラム】
担保権の実行としての競売のながれ

【コラム執筆者】
きっかわ法律事務所
弁護士 浜本 光浩