埋蔵文化財包蔵地とは④不動産の調査内容

掲載日 : 2015年4月12日

対象地が埋蔵文化財包蔵地に含まれるか否かなどについて、地方公共団体の教育委員会(※)で以下を調査することができます。
※地方公共団体により教育委員会、文化財課、生涯学習課など担当の名称は様々です。

周知の埋蔵文化財包蔵地に含まれるか
「○○遺跡跡」、「△△遺跡群」など埋蔵文化財包蔵地には通常名称が付されています。
近年はインターネットで閲覧することが可能な場合もありますが、内容が証明されるものではありません。取引の資料、境界付近の情報、権利義務が発生するもなど重要な調査についての最終的な確認については、直接赴いて行う方が良いでしょう。

試掘など調査の必要の有無及び程度の把握
対象地が埋蔵文化財包蔵地内に存する場合、以下を調査して埋蔵文化財の範囲や周辺の状況を確認し、試掘など調査の必要の有無及び程度を把握します。

位置及び周辺の発掘状況など
埋蔵文化財包蔵地内における対象地の位置。
地方公共団体によっては調査のデータベースがあり、周辺における発掘調査の頻度、当該発掘に伴う出土の状況、当該発掘が地下何メートル程度の調査を行っているかなどを確認することができます。
これら調査を行うことにより、対象地が行うことになる可能性がある調査の内容を概ね把握しておきます。

例)周辺で重要な埋蔵文化財が出土しておらず、戸建分譲を予定している場合
戸建分譲の場合、基礎工事における土地の掘削の深度が深くないと予測(=埋蔵文化財を傷つける可能性が低い)。また、周辺の出土状況から、試掘調査など簡単な調査で済む可能性。
※地盤改良などを伴う場合は別
※重要な遺構や遺跡などが出土すれば、発掘調査が必要になります。

調査に要する費用や期間
試掘調査程度の簡単な調査で済むような場合、発掘調査など詳しい調査が必要な場合のいずれにおいても、調査の期間や費用などを担当部署で確認しておく必要があります。
例)某市における試掘調査
期間:半日程度
必要なもの:重機、重機を操作するオペレーター、建築の専門家。(=費用)
※重機を現地まで運ぶ車輌、その運転手などの経費も考慮しておく必要があります。

埋蔵文化財の存在がすでに判明している場合
過去に発掘調査等が行われている場合、その履歴及び措置の状況。
なお、重要な遺跡が発見され、保護のための調査が行われる場合には、土木工事等の停止又は禁止の期間、設計変更の要否

【関連コラム】
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埋蔵文化財包蔵地とは②土木工事など開発における手続きのながれ
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【コラム執筆者】
株式会社クラヴィス鑑定事務所
不動産鑑定士 伊東 玉喜