埋蔵文化財包蔵地とは③土地利用への影響(取引と鑑定評価)

掲載日 : 2015年3月29日

土地利用への影響
埋蔵文化財包蔵地において土木工事など開発事業を行う場合、事前届出をする必要があります。
その結果、発掘調査が必要となった場合、その調査費用を事業者が負担することとなる上、調査期間中は建築工事に着手できず、重機のリース料などの費用がかさむといった不利益が発生する可能性があります。
また、遺跡を保存する必要がある場合、事業者は予定建築物の設計の変更及びこれに伴う費用負担、または建築工事自体を中止せざるを得ない可能性があります。
このように、埋蔵文化財が存する場合は土地利用上の制約があり、不動産の価格形成に重要な影響を与えると言えるでしょう。

不動産取引における対応
上記の通り、埋蔵文化財の存在は不動産価格に影響を与えるため、埋蔵文化財包蔵地に関する事項は不動産取引にあたっても告知することが慣例となっているようです。
※契約前の重要事項説明の際、告知すべき事項が宅建業法35条に定められており、その中に「その他の法令に基づく制限」という条文があり該当する可能性。また、宅建業法47条の告知事項に関連。

そこで、不動産取引を行う不動産業者は取引対象となる土地が埋蔵文化財包蔵地内に存するか否か地方公共団体の教育委員会などで確認しています。もし、対象不動産が埋蔵文化財包蔵地内に存する場合、予想されるリスクの程度を併せて調査します。

不動産鑑定評価における対応
不動産の鑑定評価についても、埋蔵文化財の有無及びその状態に関しては、対象不動産の状況と文化財保護法に基づく手続きに応じて次に与える事項に特に留意する必要がある、とされています。

【埋蔵文化財の有無及びその状態について】
1)対象不動産が文化財保護法に規定する周知の埋蔵文化財に含まれるか否か
2)埋蔵文化財の記録作成のための発掘調査、試掘調査等の措置が指示されているか否か
3)埋蔵文化財が現に存することが既に判明しているか否か(過去に発掘調査等が行われている場合にはその履歴及び措置の状況)
4)重要な遺跡が発見され、保護のための調査が行われる場合には、土木工事等の停止又は禁止の期間、設計変更の要否

【関連コラム】
埋蔵文化財包蔵地とは①文化財保護と費用負担
埋蔵文化財包蔵地とは②土木工事など開発における手続きのながれ
埋蔵文化財包蔵地とは④不動産の調査内容

【コラム執筆者】
株式会社クラヴィス鑑定事務所
不動産鑑定士 伊東 玉喜