埋蔵文化財包蔵地とは①文化財保護と費用負担

掲載日 : 2015年3月15日

埋蔵文化財包蔵地とは
埋蔵文化財とは、土地に埋蔵されている文化財のことをいいます(文化財保護法第92条)。
例えば、貝塚、古墳、都城跡などの遺跡がありますが、その他、そこから出土する土器、石器、瓦片などの遺跡も埋蔵文化財に含まれます。
このような埋蔵文化財を包蔵する土地を「埋蔵文化財包蔵地」といい、全国に存在しています。

埋蔵文化財は、国や地域の歴史及び文化を知る上で国民共有の重要な財産であると同時に地域における資産でもあります。
そこで、法律上の保護対象としてその存在を明らかにするため、地方公共団体に備え付けてある遺跡地図や遺跡台帳により、その区域が周知されています(周知の埋蔵文化財包蔵地)。

開発事業の届出
文化財保護法は、文字通り文化財の保護を目的としています。
この点、埋蔵文化財は地下に埋もれているため、地表から目視により確認することはできません。また、発掘調査などによりはじめてその内容や価値を把握することができるという特性があります。
こうした特性を有する埋蔵文化財の保護のため、文化財保護法は埋蔵文化財包蔵地において土地の掘削などを伴う開発行為、遺跡の発掘に際する手続きについて処置を定めています。

具体的には、周知の埋蔵文化財包蔵地において土木工事などの開発事業を行う場合、発掘に着手する日の60日前までに地方公共団体の教育委員会などに事前の届出などをする必要があります(文化財保護法第93条、94条)。
なお、たとえ自分の所有地であっても、遺跡の対応をせずに開発行為をしたり、遺跡の発掘を行うことは禁止されています。

埋蔵文化財の調査と保存
土木工事などの開発事業の届出などがあった場合、地方公共団体は、当該工事が埋蔵文化財に与える影響を勘案し、埋蔵文化財の取扱いについての方法を定めます。試掘調査などの結果、実際に対象地に遺跡があり、工事が影響を与える場合には協議を行い、文化財として保存を検討します。しかし、やむを得ず遺跡を現状のまま保存できない場合、事前に発掘調査を行い遺跡の記録を残すことになります。

発掘調査の費用負担
この場合の経費は事業者の負担となります。ただし、個人が営利目的でなく行う住宅建設など、事業者に調査経費の負担を求めることが適当でないと考えられる場合、国庫補助など公費より実施される制度もあります。

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【コラム執筆者】
株式会社クラヴィス鑑定事務所
不動産鑑定士 伊東 玉喜