固定資産の交換における圧縮記帳①適用の要件

掲載日 : 2014年12月8日

不動産取引において、土地、建物の交換を行う場面がよく見られます。
税務では、資産の交換は、時価で取引したものとして取り扱われるのが原則ですので、交換譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額との差額は課税されることになります。
しかし、一定の要件を満たす固定資産の交換については、いわゆる圧縮記帳の方法によって、交換取得資産をそのまま保有していたと擬制する取扱いがなされ、課税の繰延べが認められています。
今回は、固定資産の交換における圧縮記帳について解説いたします。

適用の要件
法人税法で圧縮記帳が認められる固定資産の交換は、次のいずれの要件をも満たす必要があります。
(1)交換譲渡資産
①会社が1年以上所有していること
②次の種類の固定資産
・土地(建物、構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権並びに農地の上に存する耕作権を含む)
・建物(建物に付属する設備、構築物を含む)
・機械及び装置
・船舶
・鉱業権

(2)交換取得資産
①相手方が1年以上所有し、交換のために取得したものでないこと
②交換譲渡資産と同一種類であること
③交換譲渡資産と同一の用途に供すること

(3)交換差金等
交換取得資産と交換譲渡資産の時価の差額(交換差金)が、これらのうちのいずれか高いほうの時価の20%を超えないこと

同一種類の判定
同一種類かどうかは、上記(1)②の分類によって判定します。したがって、建物同士の交換であれば、木造のものと金属造りのものとの交換でも、同一種類の資産の交換となります。
逆に、建物付土地と建物付土地を交換した場合は、土地と土地、建物と建物をそれぞれ交換したものとされますので、全体で等価であっても、それぞれの時価の差額は交換差金になります。

同一用途の判定
圧縮記帳は、上記のとおり、交換取得資産を交換譲渡資産の譲渡直前と同一の用途に供する必要がありますが、その判定はおおむね次に掲げる区分によって行われます(法人税法基本通達10-6-7)。
(1)土地:宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他の区分
(2)建物:居住の用、店舗又は事務所の用、工場の用、倉庫の用、その他の用の区分
(3)機械及び装置:旧耐用年数省令別表第二に掲げる設備の種類の区分
(4)船舶:漁船、運送船(貨物船、油槽船、薬品槽船、客船等)、作業船(しゅんせつ船及び砂利採取船を含む)、その他の区分

※(2)の適用については、店舗又は事務所と住宅とに併用されている家屋は、居住専用又は店舗専用若しくは事務所専用のいずれかのものとして取り扱うことも認められます。

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【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪