住宅性能表示制度とは?

掲載日 : 2014年12月1日

住宅性能表示制度とは、住宅を建築する場合や購入する場合において、住宅の構造や環境などの性能について客観的に住宅の性能を比較できる任意の制度です。

性能表示は安全や防犯などの10項目に分かれており、それぞれ重視したい性能が等級で把握できるようになっています。
また、設計図通りに施工されているか、現場で検査がされるため安心が得られます。
この制度は、住宅の性能を採点し、評価を比較できるという点が効果的ですが、買主に対して保証を行うものではありません。

住宅性能表示制度のメリット
1)住宅の基本構造部分について最低10年間の保証
民法や宅建業法では隠れた欠陥(瑕疵)について、一定期間において売主は買主に対して修理・補修義務を負うと定めています。
これに加えて、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)では、こうした修理や補修義務に関し、全ての新築住宅の基本構造部分について最低10年間の瑕疵に対する保証を義務付けています。

2)専門的な紛争処理が円滑かつスピーディ
「建設住宅性能評価書」が交付された住宅でトラブルが発生した場合、国が指定する「指定住宅紛争処理機関(※1)」に紛争処理を申請することができます。
指定住宅紛争処理機関は裁判によらず住宅の紛争を円滑・迅速に処理するための機関であり、「建設住宅性能評価書」の内容だけでなく、請負契約や売買契約に関する紛争の処理も扱います。
紛争処理の手数料は1件あたり原則として1万円であり、安価で住宅紛争処理サービスを受けることができます。
※1 各都道府県の弁護士会などに「住宅紛争審査会」として設置されている

3)住宅性能について第三者の客観的な評価を受けることができる
国土交通大臣により登録された第三者の評価機関が国の定めた技術基準に従い、住宅の性能を評価し、評価書を交付します。
評価書には、設計段階で交付する「設計住宅性能評価書」と施工・完成段階で交付する「建設住宅性能評価書」の2種類があります。

新築住宅の場合は、「設計のみ」または「設計と建設両方」が可能で、「建設のみ」は不可となっています。
また、中古住宅の場合は、「設計」はなく、「建設(既存住宅)のみ」が可能となります。

なお、評価書が発行されると「住宅品質確保法で定めるマーク」が表示されます。
さらに平成27年4月施行の改正により、現在問題になっている地盤の液状化に関する参考情報の提供を行う仕組みが導入される予定です。

4)住宅性能評価内容を契約に反映できる
新築住宅では、契約書面に「住宅性能評価書」やコピーを添付した場合、「住宅性能評価書」に表示された性能を有する住宅を引き渡すことまたは建築工事を行うことを契約したことになります。
もし、「住宅性能評価書」に表示された性能を満たしていない場合、修理・補修など請求することができます。

5)その他、地震保険料の割引や住宅ローン金利の優遇
①地震保険料
耐震性能の等級に応じ、以下のような地震保険料率の割引(※2)を受けることができます。

耐震等級 3 2 1
割引率 30% 20% 10%

※2 平成27年4月施行の改正により、割引率 30・20・10 が 50・30・10 に変更される予定

②住宅ローン金利の優遇
「住宅性能評価書」が交付された住宅は、住宅ローンの金利優遇や保険料の割引がある場合があります。
フラット35でも適用可能な場合がありますが、適用条件や優遇内容は各金融機関によって異なります。

また、銀行から建設資金の融資の条件として劣化等級の取得が必要といった場合もあります。

【コラム執筆者】
坂口建築計画
一級建築士 坂口晃一