不動産の保有か売却(処分)の選択と債務整理の方法

掲載日 : 2014年10月27日

住宅ローン・その他の債務が支払えなくなったとき、債務(借金)を整理していく中で、住宅ローン返済中などの、担保に入れた不動産をどうするかが問題になってきます。
大きく分けると、不動産を所有し続けるか、または処分(売却)するかを選択することになります。
一般的には、賃貸住宅を借りても、住宅ローンと同程度の賃料を支払わなければならない場合などは「所有し続ける」という選択をし、ローンよりだいぶ安い賃貸住宅が借りられるような場合には「手放す」という選択をすることが多いように思われます。

不動産の保有か売却かの選択

不動産を所有し続ける
1)任意整理
住宅ローンについてはそのまま支払いを続け、その他の債務について「任意整理」によって債務を減らすことができないか検討します。以前は、多くの消費者金融などが「元金だけを3年ないし5年で分割弁済」という和解をしてくれていましたが、最近は、任意整理をしても、あまり大幅に債務が減ることはなくなってきました。

2)個人民事再生
住宅ローン以外の債務さえ大幅に減ってくれれば、住宅ローンだけは払い続けられる、というような方は個人民事再生を申立てることにより、所有不動産を守れることがあります。住宅ローン以外の債務を最大80%カットしてもらい、住宅ローンを払い続けながら、残債務(20%以上)を3年ないし5年で返済する手続です。要件がいろいろあり、裁判所に申し立てて行う手続です。

不動産の処分を選択
1)任意売却
不動産を処分することを選択した場合、担保権者の同意を得て、担保が付いている不動産の売却を行って、その売却代金で債務を弁済する場合があり、これを任意売却と呼んでいます。担保権者によっては、売却代金の一部を引越費用等として債務者に使わせてくれることもあります。
任意売却を行って、売却代金を返済額の一部に充てても債務が残る場合があり、この残債については支払い続ける必要があります。一方、任意売却を行っても残る債務が多額であり、この残債が支払えないことが明らかな場合などは、破産の手続を選択することもあります。

2)競売
借入金の支払いの滞納を続けてしまうと、債権者の申立により、競売手続となることもあります。所定の手続を経て、入札が行われ、買受人(新しい所有者)が決まると退去しなくてはなりません。この場合には任意売却と異なり、当然ながら「引越代」は出ません。もっとも、借入金の返済をストップしてから、実際に競売手続が終了までには、少なくとも半年程度の期間がかかりますので、その間の家賃が不要という点をメリットだと見て、競売になるのを覚悟で返済をストップすることを選択せざるを得ない場合もあるでしょう。

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【コラム執筆者】
フォーゲル綜合法律事務所 堺事務所
弁護士 藤田 さえ子