強制執行とは③不動産明け渡しの執行と強制執行のポイント

掲載日 : 2014年10月20日

不動産明け渡しの強制執行について
不動産明け渡しの強制執行は、例えば賃貸マンションにおいて家賃の滞納を繰り返す借主がおり、賃貸借契約を解除したが、それでも出て行ってくれないというような場合に、最終的に法的手続によって建物の明け渡し(荷物も含めて、その建物から出て行ってもらう)を求める手続きです。

不動産の明け渡しのながれ
一般的な手続の流れは、まずは不動産を占有している者に対して明け渡しの催告(○月○日までに不動産を明け渡せという催告)をした上で、それでも明け渡さない場合は、建物の場合であれば中の荷物を運び出し(荷物を勝手に処分する権限までは無いため、一定期間は保管することとなります)、玄関の鍵を付け替えるなどして、強制的に明け渡しを行います。
不動産明け渡しの執行は、荷物の運び出し、保管、鍵の付け替え等が必要となるため、作業が多いほど、多くの費用が必要となります。

また、不動産賃貸においては、建物内に荷物は残っているが、本人は行方不明となってしまい、連絡が全く取れなくなってしまったというケースも多くあります。
このような場合も、法律上きっちりと手続を踏もうと思えば、まず訴訟を提起し、強制執行手続によって、荷物を運び出し、明け渡しを受けることが必要となります。そうすると、完全に明け渡しを受けるまでに少なくとも数ヶ月はかかりますし、強制執行のための費用も当然かかることになります。

今回のテーマからは外れますが、このようなケースでは、強制執行をせざるを得ないような状況にならないよう、事前のリスク軽減措置が重要になってきます。

強制執行のポイント
強制執行には様々な種類があり、詳しく書き出すときりがないため簡単になってしまいましたが、重要なポイントとしては、裁判所で判決をもらったとしても強制執行手続によって実現しなければ絵に描いた餅に過ぎないという点と、強制執行手続によっても回収が困難なケース、費用倒れとなるケースも多く存在するという点が挙げられます。そのため、強制執行に至る前に、相手方に少々譲ってでも、和解等によって任意に支払をしてもらう、建物を明け渡してもらうという手段の方が、有利な解決となることもあります。もちろん、事案によっては強制執行手続によることが最善であるという場合もあります。

どのような手段によるのが権利実現のために最善か、という判断は非常に難しいので、強制執行が必要になるかもしれない事案があれば、一度専門家に相談することも検討した方が良いかもしれません。

【関連コラム】
強制執行とは①要件と手続き
強制執行とは②金銭執行とその問題点

【コラム執筆者】
中本総合法律事務所
弁護士 宮崎慎吾