判決によらない民事訴訟の終了~取り下げ~

掲載日 : 2014年10月6日

民事訴訟は、私人間の法的な紛争について、裁判官が法廷で双方の言い分を聞いたり、証拠を調べたりして、最終的には判決により解決を図る手続きです。
しかし、いったん訴えを起こした場合でも、原告が民事訴訟による解決を選択しないこととした場合には、訴えを取り下げることができます。

訴えの取り下げとは
原告が裁判所に対し、判決が確定するまでに訴えの全部または一部を撤回することをいいます。
原告が勝訴の見込みがないと判断した場合、裁判外で実質的な解決がはかられた場合などにこうした手続きがとられます。

取り下げの効果
訴えを取り下げることにより訴訟は終了し、はじめから訴訟が無かったものとみなされます。
判決後に訴えを取り下げた者は同一の訴えを提起することができません。

被告の同意
原告の提起した訴訟につき、すでに被告が準備書面を提出したり、弁論などをしている場合(応訴)に、原告が取り下げをするには、被告の同意が必要となります。
これは、いったん訴訟が始まった以上、被告にも自らに有利な判決を得る権利があるにも関わらず、原告の一方的な意思のみにより訴訟が終了することは被告にとって不利益となるという考え方によるものです。

※第1回の裁判の期日(口頭弁論期日)の前で、かつ、被告からの答弁書の提出前であれば、原告は被告の同意を得ることなく、取り下げが可能です。

なお、被告が不熱心であり、訴え取下げに同意するとの意思表示も行わず、さりとて異議ありとの意思表示も行わなかった場合、判決言い渡しに必要な主張立証が積極的に行われず、未解決事件として滞留する可能性があります。
このような事態を回避するため、被告が訴え取下げ書の送達を受けてから2週間以内に異議を述べない場合、取り下げに同意したものとみなされることになっています。

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【コラム執筆者】
きっかわ法律事務所
弁護士 浜本 光浩