裁判のながれ~民事訴訟~

掲載日 : 2014年9月29日

民事訴訟は、私人間の法的な紛争について、裁判官が法廷で双方の言い分を聞いたり、証拠を調べたりして、最終的には判決により解決を図る手続きです。
民事訴訟では、財産権に関する紛争が取り扱われることも多く、例えば不動産の明け渡しや貸金の返済などが民事訴訟の対象となります。

以下、裁判の流れを簡単に説明します。
なお、民事訴訟では、訴えを起こす側を「原告」、訴えられる側を「被告」といいます。

訴状の提出(原告)

原告は、訴訟を起こすために裁判所に「訴状」を提出します。
訴状の記載内容には、主に以下のようなものがあります。

請求の趣旨 原告が求める判決の内容。
例)被告は原告に対し、金○○円を支払え。
請求の原因 原告の請求の根拠となる具体的な事実。
実際にどのような経緯があり、どのような権利や法律関係に基づく請求であるかを記載。

第一回口頭弁論期日の指定
裁判所は訴状を審査し、形式的な不備が無い場合、第一回口頭弁論の期日を指定します。

被告への訴状の送達(送付)
裁判所は被告あてに訴状を送達します(郵便)。
※同時に第一回口頭弁論への呼出状も送られます。
原告が出した訴状を被告が受領したとき、訴訟が始まったことになります。

答弁書の提出(被告)

訴訟を起こされた被告は、裁判所から指定された日(通常は第一回口頭弁論期日の1週間前の日が指定されます。)までに、「答弁書」を作成し、裁判所に提出する必要があります。
答弁書を提出せず、指定された口頭弁論期日にも出席しない場合、原告の主張を認めたことになるので注意しましょう。

答弁書には以下の内容を記載します。

請求の趣旨
に対する答弁
原告側の請求に対する結論を表明します。
例)原告の請求を棄却する、との判決を求める。
請求の原因に
対する認否
請求の原因として訴状に記載されている一つ一つの事実に対し、認める、認めない(否認)、知らない(不知)のいずれかを述べます。
抗弁事実 請求の原因として訴状に記載されている事実が認められたとしても、原告の請求が認められないこととなる事実が存在する場合には、その事実(抗弁事実)を積極的に主張します。
例)売買契約は成立したが、売買代金はすでに支払い済みである。

口頭弁論

原告の訴状と被告の答弁書が揃い、実際に公開の法廷(裁判官の面前)で審理が行われる手続きです。

裁判の内容にもよりますが、口頭弁論は通常何回か行われます(なお、争点と証拠の整理のための非公開の手続きとして、弁論準備手続という手続きが設けられており、口頭弁論期日の代わりに弁論準備手続期日が指定されるのが一般的です)。
口頭弁論という用語から、原告・被告の双方が自らの主張を口頭で言い争うようなイメージをお持ちになるかもしれませんが、実際には主張を書面にして事前に裁判所と相手方に提出しておき(この書面を準備書面といいます)、その記載内容を前提に、相手方が反論等の準備書面の準備をするという形式で主張のやりとりがなされるのが通常であり、口頭で言い争うということはあまりありません。

また、原告・被告はそれぞれ準備書面の提出とあわせて、自分の主張を裏付ける証拠書類(書証)の提出を行い、提出を受けた裁判所は、原告と被告の間で争いになっているポイント(争点)を整理していきます。

証拠調べ

原告・被告の双方から提出された準備書面や証拠書類(書証)を整理した結果、争点が絞られてくると、集中証拠調べが行われます。
証拠調べとは、原告・被告の双方から提出された証拠を公開の法廷で取り調べることをいいます。

証拠は2種類あり、人が証拠の場合は「人証」、物が証拠の場合は「物証」といいます。
通常、集中証拠調べのことを証拠調べと略称し、人証に関するもの、特に証人尋問(原告・被告以外の第三者の尋問)、本人尋問(原告・被告の尋問)を指すことが多いです。
なお、証人尋問や本人尋問は争点が絞られた訴訟の終盤で行われる場合が多いでしょう。

判決の言い渡し

原告・被告の双方が提出した主張および証拠に基づき、法律に照らして、裁判所は原告の請求の全部または一部を認める判決(認容判決)か、原告の請求を認めない判決(棄却判決または却下判決)のいずれかを言い渡します。

判決に不服である場合、判決が送達された日から2週間以内に上級裁判所に判断を求めることもできます(上訴)。

なお、原告の請求を認める判決が確定したにもかかわらず、被告がその判決に従わない場合、裁判所に対し、強制的実現を求めることになります。

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【コラム執筆者】
きっかわ法律事務所
弁護士 浜本 光浩