法人・個人間の融資②法人から個人への貸付と利息

掲載日 : 2014年8月23日

今回は法人・個人間の融資について、「法人から個人への融資」の側面から税法上の問題点について解説いたします。
会社は「利益の追求」を目的としている組織であるため、個人に資金を貸し付けた場合には、利息を取る必要があります。個人から法人への貸付とは違い、無利息貸付はもちろんのこと、適正利率以下で貸し付けることも税法上問題となります。

適正利率とは

  • 会社がその貸付資金を金融機関から借り入れている場合には、その借入利率
  • その他の場合には、貸付を行った日の属する年の前年の11月30日を経過するときにおける公定歩合に年4%の利率を加算した利率

ただし、以下のような場合には、無利息や適正利率以下であっても問題にならないものと考えられます。

  • 災害、疾病等により臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員又は使用人に対し、合理的と認められる金額や期間で貸し付ける場合
  • 会社借入の平均調達金利等、合理的と認められる貸付利率により貸し付ける場合
  • 適正利率として貸し付けた場合との差額が年間5,000円以下である場合

適正利率以外の資金の融通
合理的な理由なく、適正利率以下の貸付が行われた場合には、個人側に給与等の支払いがあったものとして、給与所得として所得税が課税されます。
法人側は、受取利息として収入の認定が行われますが、給与として損金算入されますから法人の課税所得には影響ありません。

(仕訳)
給与   ××× /  受取利息  ×××

貸し付けた相手が役員であった場合にも基本的には同様の考え方になりますが、定期同額支給とならない場合には、損金不算入となります。

役員貸付金とデメリット
法人から個人への貸付の中でも役員(特にオーナーである場合が多い)への貸付けである役員貸付金について、考察しましょう。
役員貸付金は、同族会社ではよく見かけられますが、以下のようなデメリットがあるため、極力解消することが望まれます。

  • 会社は利息を取る必要がある
    これまで説明してきましたように、会社が個人に融資をした場合には、会社は利息を取る必要があります。利息の収受を怠ると、税務調査において長期間分の多額の利息が認定されたり、未収のままの場合には不良債権化する恐れもあります。
  • 金融機関の印象が悪くなる
    役員貸付金は、単に会社が役員に貸付金として資金融資する場合のほかに、役員が会社の資金を使った場合や資金使途が不明な取引があった場合にも、便宜上「役員貸付金」として処理される場合があります。このような性質がある役員貸付金は、会社の資金が個人に流れているという印象を与えるため、金融機関としても特に注意しています。
    さらに、返済見込みがたたないケースもあり、その場合には会社の財政状態の悪化にもつながります。

よって、役員貸付金は可能な限り発生しないようにする、発生したとしても早期に解消することが望ましいといえます。

【関連コラム】
法人・個人間の融資①個人から法人への貸付と利息
法人・個人間の融資③役員借入金のデメリットと解消方法

【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪