不動産賃貸業における税金③事業的規模の判定とは

掲載日 : 2014年7月9日

マンション、アパート、土地などを他人に貸して得た賃料などは不動産所得として課税されますが、「事業的規模」か否かで課税の取り扱いが異なります。
事業的規模と認められると、事業者は多くのメリットを受けることができますが、どのようなものを事業的規模というのでしょうか。

事業的規模の判定
原則として、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します(実質基準)。ただし、実務上は以下のような基準を定め、これに基づいて判定を行っています(形式基準)。

1)形式基準・建物
いわゆる「5棟10室基準」というもので、以下のような換算により計算した①と②の合計が10室以上であれば、事業的規模に該当すると判断されます。

  • 戸建の場合、1戸につき2室換算
  • 共同住宅の場合、1棟の貸付部屋数

例えば、アパート1棟(8室)と戸建住宅2戸を賃貸している場合、8室(アパート)と4室(戸建)の合計である、12室と数えるため、事業的規模に該当します。
事業的規模に該当するためには、賃貸物件の部屋が概ね10部屋以上、独立した家屋なら5棟以上であることが必要となります。

2)形式基準・土地
貸土地、駐車場といった土地の貸付の場合、明確な規定はありませんが、建物の形式基準を参考に、5件で貸家1室と換算して判定します。
例えば、青空 駐車場10台を貸している場合は、2件(10÷5)なので、事業的規模に該当しません。

共有の場合
不動産を共有している場合、その共有持分で按分した数ではなく、実際の部屋数、棟数により判定します(単有でも共有でもカウントの仕方は同じ)。

形式基準に該当しない場合
実務上、事業的規模の判断は形式基準が適用されており、形式基準を満たせば、「事業的規模」と認められます。
なお、形式基準に該当しない場合であっても、原則の「社会通念上事業と称するに至る程度の規模」かどうかに照らし、「事業的規模」に該当する、という根拠付けができるのであれば、個別的に税務署で判断する場合もあります。
例)賃貸物件は少ないものの、売上規模が大きく、管理の手間がかかっている場合等

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大