不動産賃貸業における税金①不動産所得と青色申告のメリット

掲載日 : 2014年7月5日

不動産所得とは
マンション、アパート、土地などを他人に貸して得た賃料や権利金などにより生ずる所得のことをいいます。

法人や個人事業主として不動産投資事業を行っている場合だけでなく、サラリーマンなどの個人が投資用マンションを保有して副収入を得ている場合も不動産所得として所得税の課税対象となります。
なお、不動産所得がある場合、所得税の他に住民税が課税されます。

不動産所得の計算方法
不動産所得は以下のように計算されます。

不動産所得 = 賃料収入 - 必要経費

例えば、サラリーマンが投資用マンションを保有して賃料収入がある場合、会社からの給与とは別に、賃料収入から固定資産税や損害保険料などの必要経費を差し引いて不動産所得を計算します。
そして、この不動産所得と給与所得などその他の所得を合計した金額に対して所得税と住民税が課税されることになります。

ただし、不動産所得に損失(赤字)がある場合は、給与所得などその他の所得の黒字と相殺することができます(損益通算)。
※不動産所得の損失のうち、土地などを取得するために要した借入金の利子のうち一定の金額は損益通算ができません。

青色申告を選択した場合のメリット
事業所得と同じように、不動産所得には「白色申告」と「青色申告」を選択することができ、「青色申告」を選択した場合には以下のメリットがあります。
※65万円の青色申告特別控除や青色事業専従者給与の適用を受けるためには、賃貸規模が「事業的規模」と認められる必要があります。

1)青色申告特別控除
不動産の賃貸規模が事業的規模である場合、または他に事業を営んでいる場合は、複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を確定申告期限内に提出することを条件に、所得金額から最高65万円を限度として差し引くことができます。
上記以外は最高10万円の控除が認められています。

2)家族を従業員にした場合の専従者給与控除
不動産の賃貸規模が事業的規模である場合、事業を一緒に行う家族への給与を必要経費にすることができます(ただし、仕事内容等から判断して、給与の金額が過大とされる場合は必要経費と認められません)。
この場合、あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を、その年の3月15日までに税務署に提出する必要があります。
なお、 白色申告には「白色事業専従者控除」がありますが、配偶者は最高86万円といったように、青色申告と違い上限が設けられています。

3)赤字の際の3年間繰越し・繰戻し
不動産所得に赤字が生じた場合、その他の所得と相殺して損益通算ができます。
ただし、それでもなお赤字になる場合、翌年以後3年間にわたり赤字全額を差し引けるまで損失を繰越したり、前年の黒字の所得に繰戻すことにより前年の税額の還付を受けることができます。

このように、青色申告には様々な特典がありますが、青色申告を選択するにあたっては、条件があります。

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大