特別縁故者が財産分与を受けた場合における相続税と譲渡時のポイント

掲載日 : 2014年4月30日

特別縁故者への財産分与制度
被相続人(亡くなった人)に相続人がいない場合、被相続人と生計を共にしていた者や被相続人の療養看護に努めた者などその他特別の縁故があった者は家庭裁判所に対して相続財産の全部または一部を請求することができます。

この場合、財産の分与を受けた者は被相続人から遺贈により取得したものとみなされ、相続税が課税されることになります。

課税と申告期限
1)相続財産の価額
相続税の課税財産の価額は、死亡時の価額とされます。
しかし、特別縁故者が財産分与を受けた場合における相続税の課税財産の価額は、死亡時の価額ではなく、財産分与を受けた時の価額となります。

これは、特別縁故者が財産分与を受けるためには、その前提として相続人がいないことを確定し、その後に特別縁故者が申立を行って家庭裁判所の審判を経るため、相当の期間が必要となることを考慮されたものと言えるでしょう。

2)基礎控除・税率等
相続税の基礎控除や税率等は被相続人の死亡日(相続開始日)に適用される法令に従って計算します。

3)相続税の2割加算
特別縁故者は、被相続人の配偶者及び一親等の血族ではないため、相続税額の計算を行う際、通常の相続税額に2割に相当する額を加算した金額を納付する必要があります。

4)税額控除など
配偶者に対する税額控除、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除の規定の適用はありません。

5)被相続人の死亡前に贈与を受けていた場合
特別縁故者が被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けていた場合、相続税の課税価格に贈与により取得した財産の価額を加算して相続税額を計算します。ただし、納付すべき相続税額は、課税された贈与税相当額を控除した額となります。

6)申告手続き期間
相続税の申告手続き期限は、「財産分与があったことを知った日」の翌日から10カ月以内となります。

譲渡時における取得価額と取得日
相続により取得した財産は、被相続人の取得価額と取得日を引き継ぐことになりますが、財産分与として取得した財産については、「遺贈により取得したとみなす」規定がありません(所得税法)。このため、分与財産たる土地を譲渡した場合、分与時における価額(通常の取引価額)で取得したものとして譲渡所得を計算することになります。

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大