不動産の任意売却の流れ

掲載日 : 2014年4月14日

任意売却とは
債務者(※)が住宅ローンや事業用などの目的で融資を受ける際、債権者に自宅の土地建物などを担保に差し出していたのであれば、その際、自宅土地建物には抵当権が設定されることになります。
後に借入金の返済が困難となった場合、債権者はこの抵当権を実行(競売)すれば貸付金を回収することが出来るのですが、時間も手間もかかり、現金化までに時間がかかります。
比較的短期間で外客が出来、現金化するためには、担保が付いた不動産を「競売」という法的手段によらず、債務者が任意にその不動産を売却する方法が考えられます。
このように、債務者が任意に不動産を売却し、その売却代金により抵当権者(※)に弁済を行い、抵当権を解除してもらうことを任意売却といいます。
※債務者(所有者など)
※抵当権者(銀行などの金融機関)

任意売却は一般的に、「ローンが支払えなくなった場合の売却」のように、経済破綻者の債務整理の場面で使われることが多い用語ですが法律的な用語ではありません。
相続・贈与・代物弁済・競売以外は売主の意思(任意)による不動産取引となるため、厳密には不動産取引の大半が任意売却となります。
しかし、ここでは「ローンの支払が困難になった場合の任意売却」についての説明を行います。

なお、一般的にはローン返済を遅滞してから行われることが多いため、下記の図ではそれを前提としています。しかし、ローンの返済を遅滞することが必須条件という訳ではありませんので、ローンの支払いが困難となるようであれば、少しでも早く今後の返済原資や引っ越しに必要な必要資金、ライフプランなどを考えて、戦略的に売却することも考えられます。

任意売却の流れ

①ローン返済が苦しい(遅滞)
住宅ローンまたは事業用資金の借入れのために不動産を担保としたが、収入と支出を検討したところ、返済が困難であることが分かった。あるいは既に返済が滞っており、すぐには収入の増加が見込めそうにない。
このような場合は、不動産を保有し続けることが困難でしょうから、土地建物の売却を検討することになるでしょう。

②不動産業者との仲介代理契約
債権者側は、任意売却の交渉窓口を一本化することを希望している場合が大半であるため、特定の不動産業者と「専属専任媒介契約」を締結することが多いようです。
ただし、この専属専任媒介契約を締結すると他の不動産業者に依頼したり、自分で買主を見つけてきたりすることができません(契約期間は3カ月ごとの更新)ので、不動産業者を選択時には信頼のおけるところを選ばれるのが良いといえます。

③不動産の査定
不動産業者が現地調査や役所調査などを行って、価格を査定します。
この価格は確実に売れる価格を査定するため、ローンの残債を考慮したり、購入時の価格を考慮したりするものではありません。

④買受人の決定
債権者との合意を取り付けた後、一般の場合と同じように売り物件として買主を探すことになります。

⑤債権者との交渉
不動産の担保を抹消してもらうため、売却金額、売却代金の配分方法、売却までの期間などについて債権者と交渉を行います。
この事前の合意が任意売却にとって重要となります。

⑥売買契約
所有者、債権者など利害関係人の全員が合意した価格で売却されることとなり、売主と買主双方で売買契約書が交わされます。

⑦決済及び配分
売買契約から約1カ月前後(場合によってはこれより早かったり、遅かったりします)に売主と買主という売買当事者、債権者などが集まり、売買代金の支払いや、売主から買主に土地建物の名義を移転する不動産登記手続き、売主側の債権者が土地建物に設定している抵当権の解除する不動産登記手続きなどの書類への捺印などを行います。このような売買代金の決済が行われる日を決済日といいます。
買主が購入代金につき、ローンを組む場合には買主がローンを組む銀行に集まることが多いのですが、買主が現金で土地建物を購入する場合は、売主側の債権者である銀行や、その他の場所に集まることが多いようです。債権者などが集まり、売買代金の決済を行います。

【コラム執筆者】
アクアス司法書士・行政書士総合事務所
司法書士 和田努

事務所HP :
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