民法で定める相続における法定相続人と法定相続分

掲載日 : 2014年3月20日

民法では、相続人とその相続分が定められており、これを「法定相続人」、「法定相続分」と呼んでいます。

被相続人の配偶者は常に法定相続人となります。被相続人に配偶者と子がいる場合は配偶者と子が法定相続人となります。子がいない場合は、配偶者と直系尊属が法定相続人となります。
直系尊属がいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人となります。また、それぞれの法定相続人間の相続分も規定されています(下記の表をご参照ください。)。

なお、あくまで法定相続分は相続人間で争いになった場合に財産を分けるための基準であり、法定相続人間で合意できれば、法定相続分とは異なる遺産分割をすることもできます。

法定相続人 法定相続分
被相続人に子がいる 配偶者と子

※子が2人以上の場合
子の相続分1/2を人数分で均等に分ける

被相続人に子がいない 配偶者と親

※親が2人の場合
親の相続分1/3を均等に分ける

被相続人に子・父母が
いない
配偶者と
兄弟姉妹

※兄弟姉妹が2人以上の場合
兄弟姉妹の相続分1/4を均等に分ける

子について

  • 代襲相続
    被相続人の子が相続開始前に死亡している場合、その者の子(被相続人の孫)が相続人となり、これを代襲相続といい、孫のことを代襲相続人といいます。
    孫も先に死亡している場合、その者の子(被相続人の曾孫)が代襲相続人となり、ずっと下位の親族まで代襲していきます。
    ただし、兄弟姉妹の代襲相続人はその者の子(被相続人の甥姪)までです。
  • 法定相続人となれる「子」は実子だけでなく、養子も含みます。
  • 元夫や元妻との間の子も現在の配偶者との子と同様の扱いです。
  • 法律上結婚していない人との間の子(非嫡出子)も法定相続人ですが、相続分は原則として嫡出子の1/2となります。

ただし、平成25年9月4日最高裁は非嫡出子の相続分が2分の1であることについて、法の下において平等でないとし、合理的理由もなく差別的扱いは許されないと判断しました。

非嫡出子相続差別違憲決定①争点と最高裁判断

このため、従来では非嫡出子の法定持分は嫡出子の半分でしたが、今後の動向に留意すべきです。

遺留分
被相続人が、特定の相続人や相続人ではない第三者に遺産のすべてを相続させる(または遺贈する)というような遺言を残していることがあります。
しかし、残された相続人の生活を保障するため、一定の範囲の相続人には、被相続人の相続財産により最低限の保障を受けるべき権利が認められており、これを「遺留分」といいます。
遺留分を行使できる相続人は、兄弟姉妹を除く法定相続人です。 遺留分の割合は、下記のとおりです。
兄弟姉妹を除く法定相続人は、相続財産の一定割合について相続できるようになっており、遺留分は相続人が貰える最低限の遺産と言えるでしょう。

法定相続人   遺留分
配偶者と子   配偶者の遺留分 1/2 × 1/2 = 1/4
子の遺留分 1/2 × 1/2 = 1/4
子が3人の場合の遺留分 1/2 × 1/3 × 1/2 = 1/12
配偶者と親  配偶者の遺留分 2/3 × 1/2 = 2/6
親の遺留分 1/3 × 1/2 = 1/6
配偶者と兄弟姉妹  配偶者の遺留分 1/2
兄弟姉妹の遺留分 なし

遺留分の減殺請求
相続人の遺留分を侵害した場合、相続人はその侵害された部分を取り返すことができ、これを「遺留分減殺請求」といいます。
遺留分減殺請求権は期間の制限があり、一定の期間を経過すると行使できなくなりますので、注意が必要です(民法1042条ご参照)。

【コラム執筆者】
佐々木・魚谷法律事務所
弁護士 魚谷 和世