賃借人の残置物の強制撤去②賃貸借契約の終了後|弁護士 浜本光浩

掲載日 : 2020年5月2日

近年、賃貸物件で従前の賃借人の残置物の処理について問題となるケースが多く見られます。
従前の賃借人の残置物をそのままにしておけば、新たな賃借人に部屋を貸すことも出来ず、その間に収受できるはずの賃料も受け取れない事態となります。

賃貸借契約が終了している場合には、当事者により退去時の確認を行っていることも多く、残置物が残っている場合は少ないと思われます。
しかし、万一残置物が見つかった場合でも、それらは従前の賃借人の所有物であるため賃貸人は勝手に処分することが出来ません。

従前の賃借人への連絡
賃貸人が処分することについて承諾を得るため、可能であれば、従前の賃借人に連絡を取ってみましょう。

法的な手続き
従前の賃借人への連絡が困難な場合、承諾が得られない場合等については、以下の法的な手続きを踏む必要があります。
①建物の明渡し
②建物明渡しまでの賃料相当損害金の支払い
③従前の賃借人の残置物への差押え

すなわち、従前の賃借人は残置物を貸室に放置することにより、物件の所有者である賃貸人が使用する権利を侵害しています。
そこで、賃貸人は①残置物を建物から取り去ることを求め、②残置物が建物に置かれていることにより得られなくなった賃料に相当する損害(賃料相当損害金)の賠償を請求します(訴え提起等)。
そして、従前の賃借人に対し、損害賠償を命じる判決が得られれば、③この判決に基づいて残置物に対し差押えを行います。
最後は、差し押えた残置物を賃貸人自らが競落し、残置物の所有権を得ることにより、自由に処分が可能となります。

【関連コラム】
賃借人の残置物の強制撤去①賃貸借契約が継続している場合

【コラム執筆者】
浜本綜合法律事務所
弁護士 浜本 光浩