建物賃貸借契約を締結する際のポイント①契約の場所~一時金|弁護士 浜本光浩

掲載日 : 2020年4月21日

賃貸借契約にあたって交付される書面(契約書)に署名押印するということは、書面に記載されている内容を理解したことになり、後日「知らなかった」とは言うことは出来なくなります。
書面には多くの事項が記載されていますが、特に確認が必要な点は以下の点です。

1.契約の場所 6.修繕の負担
2.契約の目的 7.契約解除
3.契約の種類と期間 8.禁止事項
4.賃料 9.原状回復
5.一時金(敷金・礼金) 10.特約条項

1. 契約の場所・範囲
賃借しようと思っている場所・マンション名(ビル名)、部屋番号等。
店舗は契約(賃貸借)の範囲を示す図面等が添付されている場合も多いので、併せて確認します。

2. 契約の目的
居住用、店舗(※)、倉庫といったように用途が定められています。
これ以外の使用をすることは認められておらず、例えば居住用として借りた部屋を事務所に使用することは出来ません。
※店舗は業種が多岐にわたるため、飲食店やコンビニエンスストア等、細かく規定されていることが多いでしょう。

3. 契約の種類と期間
①契約の種類
「普通建物賃貸借契約」か「定期建物賃貸借契約」を確認します。
「定期」と記載されていれば、契約期間の満了後、契約は終了します。更新することは出来ません(なお、当事者が合意すれば、再契約を行うことは可能です)。

②契約期間
いつから契約が開始され、いつ契約期間が終了するのか確認します。
署名押印した日が契約開始日とは限りません。
なお、契約の種類として「定期」と記載されていない場合には、契約期間の満了後、契約更新が可能ですので、更新の方法(自動更新か否か)を確認しておきます。

4. 賃料
①賃料の額
賃料の他、共益費や管理費の額を確認します。
その他、用途により独自のものがあります。
例:居住用の場合は町内会費、店舗であれば○○商店街会費など
近年、支払方法は振込や自動引き落としが一般的ですが、念のため確認しておきましょう。

②賃料の改定
「○年ごとに両者協議の上で賃料改定する」といった取り決めがある場合は確認しておきます。
特に、「自動的に賃料が一方的に増額になる」等の記載がある場合、注意が必要です。

5. 一時金(敷金・礼金)
賃貸借にあたって受け渡しされる一時金には以下があります。
名称は様々ですが、取扱いに注意しながら、実態を確認するようにしましょう。
① 礼金・権利金
契約期間が終了しても賃借人に返還されない一時金。
賃借人からすれば、賃料の一部を構成するものとして、賃料の前払い的な意味を持っています。

②敷金・保証金
契約終了後に賃借人に返還される一時金。
賃貸人からすれば、預り金的な性格を持っています。
なお、これらの一時金は一部が返還されず、一部が返還対象となっているものがあるため、併せて確認します。

③更新料
契約期間が満了、契約期間が更新される場合に受け渡しされる一時金。
関西では一般的に更新料の受け渡しの慣行はないと言われていますが、契約書で更新料の記載が無いか確認しておきます。

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【コラム執筆者】
浜本綜合法律事務所
弁護士 浜本 光浩