アスベスト(石綿)とは③法規制の変遷|一級建築士 坂口晃一

掲載日 : 2019年8月19日

労働者の健康障害を防止する観点から、規制の対象となるのは繊維状の以下の6種類となります。
繊維状になっている物質:アクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト

ただし、塊状の岩石であっても小さく砕くと繊維状になる物質が発生し、その含有率が一定割合を超える場合には製造などの禁止の対象となりました(2006月8月)。

法規制の変遷
1975年(昭和50年)の規制は石綿(アスベスト)の含有率が5%を超える吹き付け材のみを対象としたものでした。
このため含有率5%以下の石綿(アスベスト)含有吹付けロックウールなどは1975年以降も建築資材として使用されました。
1995年(平成7年)、石綿(アスベスト)の含有率が1%を超えるものもアスベスト含有物として規制の対象となりました。
なお、2006年(平成18年)、石綿(アスベスト)を含有する製品の定義は、0.1%を超えるものとなっています。

従来は吹付け石綿のみが規制の対象となっていました。
しかし2006年9月以降は、石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有するすべての物の製造等が禁止されました(代替が困難な一定の適用除外製品等を除く)。
※この改正で吹付け石綿の他に石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材が追加

以下、法規制の変遷となります(抜粋)。

1960年3月 じん肺法制定
1971年9月 労働基準法下に特定化学物質等障害予防規則(特化則)制定
1972年8月 労働安全衛生法制定
1972年9月 労働安全衛生法下に特化則再制定
1975年9月 石綿(含有率が5%超)吹付け石綿の原則禁止など(特化則改正)
*アスベスト含有率が5%を超える名称等表示(労働安全衛生法施行令)
1995年1月 石綿(含有率が1%超)の吹付け作業が原則禁止など(特化則改正)
*クロシドライトとアモサイトの製造、輸入、使用などを禁止(労働安全衛生法施行令)
*耐火建築物等における吹付けアスベスト除去作業の事前届出を義務付け(労働安全衛生規則)
2004年10月 *アスベスト含有率が1%を超える建材、摩擦材、接着剤等10品目の製造、使用禁止
2006年8月 *アスベスト含有率が0.1%を超える製品の製造、輸入、使用などを禁止(労働安全衛生法施行令)
建築物におけるアスベストの使用禁止(建築基準法)
2012年3月 製造等の禁止=完全に石綿製品使用製造が禁止(労働安全衛生法施行令)
ただし、特殊な用途のガスケットは一部製造等の禁止除外

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【コラム執筆者】
坂口建築計画
一級建築士 坂口晃一