アスベスト(石綿)とは②飛散のおそれが大きいもの|一級建築士 坂口晃一

掲載日 : 2019年8月5日

アスベストの飛散を通じて健康への影響が懸念されます。
このため、アスベストを含む建築資材は発じんの程度により、以下の3つに分けられています。

レベル1 アスベスト含有吹付け材
(発じん性が著しく高い製品)
レベル2 アスベスト含有建材(保温材等)
(比重が小さく、発じんしやすい製品)
レベル3 アスベスト含有建材(成形板等)
(発じん性の比較的低い製品)

レベル1とレベル2は飛散性の製品であることからリスクが高く、レベル3は非飛散性の製品であるためリスクが低くなります。

アスベスト含有吹付け材(レベル1)
露出している飛散性の製品が吹付けされている建築物については、分析調査を実施し、飛散のおそれがある場合、早急に対策工事を行う必要があります。

飛散のおそれが大きい 吹付け表面の全体に毛羽立ちがあるもの、繊維の崩れがあるもの、繊維の垂れ下がりがあるもの、吹付け面の全体に損傷・欠陥があるものなど
飛散のおそれが小さい 損傷・欠陥は局部的で損傷部などの吹付け材は下地にしっかり固着しているなど
安定している 吹付け面にひっかき傷などの損傷がない、下地の腐食・び割れなどの影響による損傷が無いなど

なお、見えない部分についても吹付けアスベストが使用されている場合もあるので、建築年や用途、構造などにも留意する必要があります。

以下、飛散のおそれが大きい(レベル1)、吹付けアスベストとアスベスト含有吹付けロックウールを見てみましょう。

吹付けアスベスト
アスベストにセメントなどの結合材を30~40%混ぜ、水を加えて吹付けて施工されたもの。
1975年(昭和50年)に原則禁止となりました。
(使用期間:1956年ごろ~1975年)

吹付けアスベストの施工例

(左)吹付け石綿 鉄骨耐火被覆材
(右)石綿含有吹付けパーライト 天井・梁
国土交通省「目で見るアスベスト建材(第2版)」

アスベスト含有吹付けロックウール(湿式)
工場で製造された人造のロックウール(人造鉱物繊維)にセメントなどの結合材を30~40%混ぜ、過去にアスベストを含んで吹付けて施工されたものです。
※現在新たに施工されている吹付けロックウールにアスベストは含まれていません。

アスベスト含有吹付けロックウール(湿式)の施工例

(左)石綿含有吹付けロックウール 天井断熱材 天井・壁吸音材 
(右)石綿含有吹付けロックウール 鉄骨耐火被覆材
国土交通省「目で見るアスベスト建材(第2版)」

1975年以降、利用が減少したと言われていますが、1995年の原則禁止まで使用された可能性があります。
ただし、その後も一定の管理条件のもとで吹付け作業を認める特例規定があり、これが完全に禁止されたのは、2005年(平成17年)7月1日となります。

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【コラム執筆者】
坂口建築計画
一級建築士 坂口晃一