扶養義務者への資金援助と贈与税②リスクと注意点|税理士 成田佳大

掲載日 : 2018年10月8日

扶養義務者へ資金を援助した場合、一般的に、生活に必要な資金を援助する場合、贈与税がかかりません。
ただし、贈与税の課税対象になる場合と、ならない場合があるため、注意する必要があるます。

資金援助はその都度支出

非課税となる生活費又は教育費とは、生活費などが必要な都度、直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいいます。

このため、生活費または教育費として、前もって一括で贈与したり、受け取った財産を貯金したり、株式や不動産を購入するための資金に充てた場合、これらの金額は生活費または教育費として通常必要とは認められません(贈与税の課税対象となります)。

一括ではなく必要な都度、その額を支出するため、どのくらい資金援助を行ったのか総額を把握しづらくなります。
資金援助は計画的に行わないと贈与者の老後資金などに支障をきたすおそれがあるので注意しましょう。

なお、教育資金や、結婚・子育て資金については、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」や「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」の規定が別途設けられています(租特70の2の2、租特70の2の3)。

通常必要と認められる生活費または教育費

贈与税が非課税になる生活費、教育費で、「通常必要と認められるもの」とは、被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる財産をいいます(相基通21の3-6)。

このため、子が居住する賃貸住宅の家賃などを親が負担した場合、子が自らの資力によって家賃等を負担し得ないなどの事情を勘案し、社会通念上適当と認められる範囲の家賃などを親が負担している場合、贈与税は非課税となります。
ただし、子に家賃などを支払う充分な資力がある場合、贈与税が課税される可能性があります。

財産の名義変更があった場合
預貯金の利子や有価証券の配当など(財産の果実)を生活費に充てるために、その預貯金や有価証券(元本)の名義を変更した場合、名義変更を行った時にその元本部分の贈与があったものとされます(相基通21の3-7)。

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大