民法における賃貸借の存続期間について

掲載日 : 2014年2月14日

期間の定めのある賃貸借
1)存続期間(上限の設定)
民法では、賃貸借の存続期間は、20年を超えることができず、契約によりこれより長い期間を定めた場合であっても、その期間は、20年に短縮されます(民604条1項)。逆に、最短期間の定めはないため、20年以内であれば、合意により自由に存続期間を設定することができます。

2)更新

  • 合意による更新
    当事者が賃貸借を20年以上継続したい場合には、合意により契約を更新することができますが、更新した賃貸借も更新のときから20年を超えることはできません(同604条2項)。
  • 法定更新
    更新の合意がない場合でも、賃貸借の期間が満了した後も、賃借人が賃借物の使用収益を継続しており、かつ、賃貸人がその事実を知りながら、異議を述べない場合には、賃貸借は、前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定されます(民619条1項前段・黙示の更新)。
    黙示の更新があった場合には、それ以降の賃貸借は、「期間の定めのない賃貸借(後述)」となり(同条1項後段)、前の賃貸借について当事者が供与していた担保は、敷金を除き、期間の満了によって消滅します(同条2項)。

3)賃貸借の終了原因
期間の定めのある賃貸借は合意された期間満了によって終了しますが、その他にも、解約権が留保されており、解約申入れがされた場合(同618条)、賃貸目的物が全部滅失した場合、債務不履行による解除が認められる場合には、賃貸借は終了します。

期間の定めのない賃貸借
以上では、期間の定めのある賃貸借について述べましたが、当初から、期間の定めのない賃貸借をすることも認められています。

期間の定めのない賃貸借では、各当事者は、いつでも、解約の申入れをすることができます。この場合、賃貸借契約は、解約の申入れの日から、それぞれ次の期間を経過することによって終了します(民617条1項)。

1 土地の賃貸借 1年
2 建物の賃貸借 3か月
3 動産及び貸し席の賃貸借 1日

その他
以上は民法上の原則であり、民法上も、処分能力制限者(被保佐人等)又は処分権限のない者が賃貸借をする場合には、短期賃貸借制度が規定されている他(民602・603条)、借地借家法による大幅な修正もされていますので、個別具体的な事案についてはご相談ください。

【コラム執筆者】
あーち法律事務所
弁護士 金 泰弘