借地権の種類~地上権と土地賃借権の違い~

掲載日 : 2014年2月12日

借地権とは、建物の所有を目的として他人の土地を利用する権利をいいます。
この借地権には、地上権と土地賃借権の2種類がありますが、権利の強弱に著しい違いがあります。

地上権(物権)と土地賃借権(債権)の違い
地上権と土地賃借権は法律用語を使って一言でいえば、地上権は物権であり、土地賃借権は債権、ということになります。
物権とは、「物」を直接的に支配したり、利益を受けることをできる権利をいいます。一方、債権とは、「特定の人」に対して一定の行為をすることを要求できる権利をいいます。
(なお、地上権は、用益物権であり、所有権が、使用・収益・処分という包括的な支配権を有するの対し、地上権は、使用・収益という側面においてのみ包括的支配権を有します。)

地上権
物権である地上権は使用・収益と言う側面においてのみ土地を直接的に支配することができる権利であるため、土地所有者が誰であっても利用することができます。
このため、土地所有者が変更しても関係なく、当然に土地を利用し続けることができます。

土地賃借権
債権である土地賃借権の場合、ある特定の人(賃貸人)に対して、土地利用を請求する権利を持っているにすぎません。このため、賃貸人たる土地所有者が変更した場合、新しい土地所有者に対して、賃借人は当然に土地利用を請求することはできません。

このような地上権と土地賃借権の違いは以下に顕著に表れます。

  地上権 土地賃借権
権利譲渡 自由に譲渡することができる
(賃貸人の承諾が不要)
譲渡や転貸することができない
(譲渡等には賃貸人の承諾が必要)
登 記 賃貸人には法的に登記の協力義務があり、借地権者が希望すれば地上権の登記に応じる必要がある。 地上権のように賃貸人に登記の協力義務はない。
(賃借権登記はほとんど見られない)

現実の借地権については、地上権が設定されている不動産はほとんど見られず、土地賃借権が一般的になっています。
土地賃借権は賃貸人の登記の協力義務がないため、登記が困難であり、賃借人(借地人)の権利が不安定なものとなります。ただし、賃借人(借地人)が所有する地上建物の登記をすること等により、実質的には借地借家法や旧借地法で強力に保護されていると言えます。

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【コラム執筆者】
佐々木・魚谷法律事務所
弁護士 魚谷 和世