代償分割が行われた場合の課税価格の計算方法|税理士 成田佳大

掲載日 : 2018年7月16日

代償分割とは、共同相続人のうち一人または数人が相続財産を取得し、他の共同相続人に代償金を与える方法をいいます。

代償分割にあたって支払う金銭は相続人間における取得財産の価額の調整するためのものであり、代償金を受けた相続人についても、相続により遺産を取得した場合と同様に相続税が課税されることになります。

課税価格の計算方(原則)
以下の例で具体的に計算してみましょう。
相続財産が不動産のみで、相続人である子2人(AとB)で相続する。
本来であれば、AとBで2分の1ずつの共有となりますが(現物分割)、不動産はAが取得し、Bに対して代償金として、金銭5,000万円を支払うこととなった。
・不動産の時価:1億円(代償分割時)
・不動産の相続税評価額:8,000万円

相続税の課税価額は以下の通りとなります。

代償金を受けた人(B)  5,000万円=1億円×1/2
代償財産の価額(代償金)(相基通11の2-9)
代償金を支払った人(A)  3,000万円=8,000万円-5,000万円
相続により取得した土地や建物などの現物財産の価額から代償財産の価額(代償金)を控除した価額(相基通11の2-9)

課税価格の計算方(例外)
上記の計算によれば、共同相続人が平等に財産を取得するよう、代償金の額を支払ったものの、相続税の課税価格に開差があり、これを基にして計算する相続税の額にも違いが生じてしまいます。

これは、代償金の額を計算する基礎となった不動産の時価(1億円)と、相続税評価額※(8,000万円)との間に開差があることに起因しています
※不動産の相続税の課税価格を計算する価格

そこで、代償分割の対象となった不動産の時価と相続税評価額の差異を調整するために、以下の取扱いがあります。

代償金を受けた人(B)  4,000万円=5,000万円×8,000万円/1億円
代償金を支払った人(A)  4,000万円=8,000万円-5,000万円×8,000万円/1億円

ただし、共同相続人全員の協議に基づくことが要件となっています(相基通11の2-10)。

【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大