民事信託とは③デメリット │司法書士 脇田直之

掲載日 : 2018年4月13日

節税対策にはならない
民事信託は資産の名義が受託者に移転します。しかし、受託者は実質的には資産を管理しているだけであり、受託者が利益を受けるわけではないため、受託者に課税はされません。
つまり、実際に利益を受ける受益者が課税されることになります。

生前信託 相続税 遺贈とみなされる
受益者が賃料収受 所得税 マンションなどの収益物件の場合
受益者連続型信託 相続税 遺贈とみなされる

遺留分に注意
民事信託を利用しても法定相続人が有する遺留分を侵害することはできません。
最初の受益者が自分、次の受益者を子供Aと定めた場合。子供が他にいる場合、その子が遺留分減殺請求を行使する可能性があるため、あらかじめ遺留分相当額の財産の交付また了解を取っておく必要があるでしょう。

身上監護機能はない
成年後見人には、介護保険の手続き、施設への入退所の手続、リハビリの手続、住居の確保の手続きなどを行う義務があります(身上監護義務)。
一方、民事信託における受託者は、資産の管理・運用を委任された者であり、このような手続きを行う義務はありません。
もし、委託者に対し、身上監護が必要である場合、別途任意後見契約を締結しておく必要があります。

登記が必要
民事信託は、受託者に資産が移転するため、登記や登録が必要な資産(不動産や船舶等)は登記登録手続きを行う必要があります。

【関連コラム】
民事信託とは①
民事信託とは②メリット

【コラム執筆者】
IS司法書士法人/IS行政書士事務所
司法書士, 行政書士 脇田 直之