賃料の減額や増額における継続賃料の鑑定評価の手法

掲載日 : 2013年12月31日

継続賃料とは、現に継続中の賃貸借契約において改定される場合の賃料をいいます。

継続賃料が必要とされる理由は、契約締結の経緯・契約の内容などを勘案し、現行賃料と新規賃料との間の調整をはかり、適正な経済価値を求めることにあると言えるでしょう。

継続賃料を求める方法には、差額配分法・利回り法・スライド法・賃貸事例比較法の4つの方法があります。

差額配分法
現時点において(※)、対象不動産を新規に賃貸借することを仮定した場合における新規賃料を求めます。
※正確には評価すべき時点(以下同じ)。
この新規賃料と現行賃料との差額について、契約内容などを分析し、差額の一部を現行賃料に加減して不動産の賃料を求める方法です。

長 所 貸主と借主の両者からアプローチする手法であり、4手法のうち最も個別性を反映
短 所 差額の配分が恣意的になりやすい

利回り法
現行賃料を定めた時点における対象不動産の価格(※)を求め、この価格に対する純賃料の割合(継続賃料利回り)に基づいて不動産の賃料を求める方法です。
※正確には基礎価格

長 所 個別事情を反映
短 所 基礎価格の変動を考慮して求める方法であることから、価格変動が激しい場合などには説得力が低くなる

スライド法
現行賃料を定めた時点から現時点までの物価変動などを示す変動率を求め、現行賃料とこの変動率を基礎として不動産の賃料を求める方法です。

長 所 客観的な経済情勢の変化を反映
短 所 対象不動産に対応し得るような個別的な変動率を求めることが困難であり、個別事情を反映できない

賃貸事例比較法
実際に成約した継続にかかる賃貸事例を収集し、適切な賃貸事例を選択し、これを基礎として不
動産の賃料を求める手法です。

賃貸事例は過去のものなので、現時点とは賃料水準が異なる場合には、これを修正する必要があります。また、賃貸事例の地域と対象不動産の地域では賃料水 準が異なる場合、地域の比較を行って賃料水準を調整する必要があります。その他補修性などを行って賃料を求める方法です。

長 所 客観的で実証的であるため説得力がある
短 所 継続にかかる賃貸事例の収集は実務上困難

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【コラム執筆者】
株式会社クラヴィス鑑定事務所
不動産鑑定士 伊東 玉喜