専有部分と共用部分の境界とリフォーム可能な箇所

掲載日 : 2013年12月24日

専有部分とは、独立して利用できる住居、店舗、事務所や倉庫など区分所有権の目的たる建物の部分をいい、一つの区分所有建物として構造上の独立性と利用上の独立性を有する必要があります。
また、一棟の建物のうち、専有部分以外の部分を共用部分といいます。

個別にリフォームすることができるのは、この専有部分に限られます。
このため、どこまでが専有部分で、どこが共用部分なのかという問題があります。
一般的に専有部分は玄関の内側からベランダの手前まで、共用部分は外壁・屋根・廊下などとされていますが、以下個別に検討していきましょう。

玄関ドア・窓ガラス
玄関ドアの外側や窓ガラスは共用部分であり、マンションの外観に影響を与えると考えられ、勝手に交換・変更することはできません。
例えば、玄関ドアの外側の色を勝手に塗り替えたり、窓ガラスに広告を出したりすることはできません。
ただし、玄関ドアの内側と鍵の部分は専有部分なので色を塗り替えたり、鍵の交換は可能です。
また、窓の一枚ガラスを二重(ペア)ガラスに交換することはできませんが、窓の内側にもう一つサッシュを取り付けて二重サッシュにすることは可能です。

天井高
構造体のコンクリートの内側までであれば、天井裏も専有部分であり、天井板を外し、天井高を上げることは可能です。

壁・内装
住戸の内側は専有部分なので、壁紙や床材の張り替え、室内ドアなどの建具の変更をすることは可能です。
ただし、外壁、住戸と住戸の境界壁となる部分(コンクリートや断熱材など)は共用部分です。
また、構造体としての床そのものは共用部分であるため、例えばコンクリートに穴を開けて床下収納を作ることはできません。

パイプスペース(配管・配線)
原則、コンクリート等の構造体に囲まれた内側(専有部分)の配管・配線は変更できますが(水勾配など制約はあります)、外側(共用部分)は変更できません。
ただし、配管・配線に関する専有部分と共用部分の区分に関しては、その設置目的、設置場所、その物の性質、維持管理の状況などにより判断することになります。

バルコニー等
バルコニー、1階の専用庭、玄関ポーチ等は専有部分に思われがちですが、実は専用使用権が認められた共用部分であり、その住戸の居住者のみが自由に使うことができる空間です。
日常の清掃などの維持管理は専用使用者が行い、防水・塗装工事などの改修工事は管理組合が行います。
勝手なリフォームや物置を置いたりすることも禁止されています。(管理組合に相談の上、許可される場合もあります。)

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【コラム執筆者】
坂口建築計画
一級建築士 坂口晃一