土壌汚染調査の手法②土壌汚染状況調査

掲載日 : 2013年12月4日

前回は土壌汚染調査の基本、土地の履歴調査についてお話ししました。
今回は、履歴調査の次の段階である土壌汚染状況調査についての具体的な手法についてご紹介していきます。

土壌汚染状況調査
土壌汚染状況調査では、直接対象地の土壌を採取し、分析を行います。
分析した結果、土壌汚染対策法(以下「法」)において設定されている数値を超過している場合、その土地は汚染しているということになります。
一般的なやり方では法に準拠して行います。
まず下図をご覧ください。

法に準拠した調査法では、10m×10mを基本単位区画として考えます。
従って、対象地において有害物質の使用が確認されている場合、対象地を区画割し、各区画につき1ヵ所土壌ガスや土壌を採取、分析を行います。

有害物質の使用が不明である場合、あるいはない場合には30m×30mの格子内を1単位とし、土壌ガスは1地点から採取した試料を、土壌は複数地点(土地の面積により1~5地点。下図では5地点)から採取後、均等に混合した試料を分析します。

分析を行う項目
土壌汚染対策法では25項目の特定有害物質が設定されていますが、必ずしも全項目について分析を行う必要はありません。
前回のコラムでも申し上げたように履歴調査を行った上で対象地の工場なり事業所において使用されている、あるいは使用されていたと推定される物質に絞って分析を行うことも可能です。

25項目のうち、揮発性の高いものを第1種特定有害物質、重金属等を第2種特定有害物質、農薬等を第3種特定有害物質と分類されています。
このうち第1種特定有害物質は土中の空気にも拡散するため、土壌そのものを採取するより土中の空気を採取して分析するわけです。先程から何度か出てきた土壌ガスというのはこの土中の空気のことを指しています。
例えばガソリンスタンドに行くとガソリン臭がしますよね。
あれは空気中にガソリンの中の揮発しやすい物質が拡散しているものを吸っちゃっているんですよ。
有害物質の中にも臭気があるものがあるので、ちょっと土を掘っただけで異臭がすることも…。分析するまでもなく結果がわかることがあります。

土壌汚染状況調査の手順
土壌等の試料を採取するには掘らないといけません。
大まかな手順は以下のとおりです。

土壌ガス調査
1.被覆部にドリルで穴をあける

2.掘削する(80~100㎝)

3.土壌ガス採取

4.取れました

表層土壌調査
1.被覆部を取り除く

2.土壌を掘削する

3.取れました

土壌汚染状況調査の注意点
とにかく大事なのは、この調査では汚染の有無が確定する、ということです。
もちろん、それが目的で行うのですから当然ですが、経験されたことがない方には特に注意していただきたいのです。

もし汚染されていたらどうするか、考えていますか。
次回お話ししますが、土壌汚染の対策は調査代金なんて目じゃないくらいお金がかかります。
下手すると土地代よりも、です。
いままでの私の経験上、なぜか根拠なく「大丈夫!」と思っていらっしゃる方が多いのです。
私もそうであってほしいと思うのですが、大丈夫でないことだってあるのです。
これは調査会社の説明責任でもあるのですが、汚染があった場合はどうなるのか、最悪のケースというのを想定しないままに調査を行ってしまい、いわゆる塩漬けになっている土地はたくさんあります。
調査を行う際には目先の調査代金等だけではなく、先のことまで考えた上で行っていただきたいと思います。

あと、技術的なことになりますが、対象地がコンクリートやアスファルトで被覆されていたり、建物が建っているままで調査を行うことの方が多いです。
売買のための調査や、資産価値を調べるための調査の場合、できる限りの復旧は行いますが、きれいに元通りにはなりませんのでご注意くださいね(下写真参照)。

また、調査時はドリルやカッター等、相当な騒音がしますので、マンションや居宅等お住まいになられている方がいる場所で行う際にはあらかじめ住民の方へ通知しておいた方がいいかもしれません。

【関連コラム】
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【コラム執筆者】
株式会社 三協エンジニア
土壌汚染調査技術管理者 稲垣優子

事務所HP :
http://www.sankyo-en.co.jp/