法人税法上のみなし役員と使用人兼務役員の判定

掲載日 : 2013年11月18日

本日は、同族会社に課せられる特別な規制の続きとしまして、みなし役員、使用人兼務役員と判定された場合の制限についてご説明します。

みなし役員
会社法上は、取締役、監査役等を役員といい登記されていますが、法人税法上は、会社法上の役員概念とは違い、登記されている役員とは別に「みなし役員」という規定があります。みなし役員は、会社法上の役員ではありませんが、法人税法上は役員と同じ扱いを受けることになり、みなし役員に支払った賞与も損金不算入とされますので注意が必要です。

(A)使用人以外の者で会社経営に従事している者
 → 会長、顧問、相談役等、その地位、職務から鑑みて実質的に法人の経営に従事していると認められる者

(B)同族会社の使用人のうち次の要件を満たす者

  • 株主グループ第1~3順位までを合計して、持株割合が50%超となる当該株主グループに属していること
  • その使用人の属する株主グループの持株割合が10%を超えていること
  • その使用人(配偶者を含む)の持株割合が5%を超えていること

使用人兼務役員の制限
使用人兼務役員とは、役員のうち、部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ常時使用人としての職務に従事する者をいいます。みなさんも、取締役総務部長、取締役経理部長などの肩書を見られたことがあるかと思います。
しかし、同族会社の役員で特定株主等に該当する者やみなし役員となった者は使用人兼務役員になれません。使用人兼務役員の制限を受けてしまいますと、その者に支払った使用人分賞与は損金不算入となってしまいます。

執行役員の取り扱い
執行役員制度は、法令上明確に規定されたものではなく、導入する会社が任意に制度設計できることから、税法上も様々な解釈が可能となります。
一般的に執行役員は代表取締役等の指揮、監督のもとで業務執行を行い、会社の経営方針や業務執行の意思決定権限を有していないケースが多いことから「使用人」としての意味合いが強く、法人の経営に従事しているとは認められないと解釈できます。従いまして、このようなケースにおいては、原則として税法上の役員やみなし役員には該当しないと考えられます(みなし役員については同族会社の使用人に適用される判定によりみなし役員に該当するものは除きます)。
しかし、取締役を兼務しているような場合には、経営に関わっていると判断できることからみなし役員に該当すると考えられます。

以上のように、執行役員については、画一的に決定されるものではなく、それぞれの会社における制度設計を十分に検討したうえで、判断される必要があるでしょう。

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【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪