法人税法上の留保金課税のしくみ(特定同族会社)

掲載日 : 2013年11月15日

前回、法人税法上、租税回避防止の観点から同族会社に対して特別な規制を設けているというお話をさせていただきました。本日は、そのうちの留保金課税について、もう少しご説明したいと思います。

留保金課税の対象法人
留保金課税が課せられる対象法人は、「特定同族会社」であり、かつ、資本金1億円超の会社となります。
「特定同族会社」とは、株主等(親族、内縁関係者、個人株主の使用人、個人株主から受ける金銭等によって生計を維持している者等を含む)の1人が発行済株式の過半数を有する会社です。従いまして、特定同族会社ではない同族会社や資本金が1億円以下の会社は留保金課税されません。

課税される金額

課税される金額=課税留保金額(A)×留保金課税の税率(B)

(A)課税留保金額
=所得(※1)-社外流出額(配当、役員賞与等)-法人税等-留保控除額(※2)

(※1)繰越欠損金を使用したことにより所得がマイナスとなった場合でも、留保金額の計算における所得には繰越欠損金は考慮されません。従いまして、法人税は課税されなくても留保金課税だけが課税されるケースがありますので注意が必要です。

(※2)留保控除額は、以下の①~③の最も多い金額となります。
①所得基準 :所得等×40%
②定額基準 :2,000万円
③積立金基準:資本金×25%-利益積立金

(B)留保金課税の税率
課税留保金額 3,000万円以下 10%
課税留保金額 3,000万円超 1億円以下 15%
課税留保金額 1億円超 20%

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【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪