限定価格を求める方法│不動産鑑定士 伊東玉喜

掲載日 : 2017年8月16日

隣接地の売買などにおいては、特別の動機が存在したりします。
このため、隣地の価格などは一般の人が妥当と思う価格とは異なる価格になる場合があります。

参考:限定価格とは

増分価値
限定価格を求める方法について、隣地売買の例でご説明しましょう。
A土地は不整形でB土地を取得すれば、整形になる上、角地のメリットもあります。
B土地は一般の人でも購入可能な不動産ですが、A土地の所有者からすれば自分の土地の価値がアップするため、一般の人より多くお金を支払っても、取得しようとするのではないでしょうか。

限定価格とは

価格はいずれも正常価格

A土地の所有者はどの程度までであれば、B土地にお金を支払えるか。
すなわち、併合によってどれだけ土地の価値が増加したかを計算します。

増分価値=3,000,00円
=一体画地C-(A土地単独の価格+B土地単独の価格)
=20,000,000円-(12,000,000円+5,000,00円)

増分価値の配分
A土地の所有者からすれば、3,000,000円多く支払ってでもB土地を取得したいでしょう。
しかし、上記で求めた3,000,000円(増分価値)がそのまま、B土地にプラスされる訳ではありません。
増分価値のうち、B土地にプラスされる金額(配分額)を求めます。

【配分額の計算】
増分価値のうち、配分額(B土地に配分される分)を計算する方法は複数ありますが、そのうち4つの方法で計算してみます。

①単純比 それぞれの土地の単価で按分する方法
②面積比 それぞれの土地の面積で按分する方法
③総額比 それぞれの土地の総額で按分する方法
④買入限度額比 それぞれの土地の買入限度額で按分する方法

①単純比
≒56%
=B土地の単価/(B土地の単価+A土地の単価)
=50,000/(50,000+40,000)

②面積比
=25%
=B土地の面積/(B土地の面積+A土地の面積)
=100/(100+300)

③総額比
≒29%
=B土地の総額/(B土地の総額+A土地の総額)
=5,000,000/(5,000,000+12,000,000)

④買入限度額比
≒35%
=(C土地価格-A土地価格)/(C土地価格-A土地価格)+(C土地価格-B土地価格)
=(20,000,000-12,000,000)/(20,000,000-12,000,000)+(20,000,000-5,000,000)

【配分額の決定】
①~④の方法を相互に補完するため、4つの平均値(36%)を採用し、配分額を求めます。

配分額=1,080,000円
=3,000,000円×36%

※実際の鑑定評価では、地域の実情や対象不動産の個別性などを勘案し、どの方法が一番適しているかを判断しています。

限定価格の決定
B土地の限定価格=6,080,000円
=B土地単独の価格+増分価値の配分額
=5,000,000円+1,080,000円

【コラム執筆者】
株式会社クラヴィス鑑定事務所
不動産鑑定士 伊東 玉喜