物権的請求権とは?具体例と要件|司法書士 冨本隆介

掲載日 : 2017年6月10日

物権とは
物権は物を排他的に支配して利益を受ける権利があります。
物権と比較しやすい観念として債権があります。
物権と債権は以下のように比較することが出来ます。

  物 権 債 権
基本概念 物を直接支配する権利
例)所有権
債務者に給付を請求する権利
例)売買契約に基づく金銭債権
排他性の有無 排他性がある
例)同一物に同一内容の物権は成立しない
排他性がない
例)同一内容の契約は成立する。債務不履行による損害賠償で解決
絶対性 全ての人に主張できる 債務者にのみ主張できる

物権的請求権とは
物権は、民法その他の法律で定められたもの以外の新しい物権を原則作ることは出来ない(物権法定主義)。これは、強い権利を持つ物権に関しては種類を限定し内容を明確にする必要があったからといわれています。

その目的物が他人の占有などにより妨げられている場合、または妨げられるおそれがあるときに円満な支配状態を妨げている者等に対して、物権に基づいてその目的物の返還の請求などを求めることができ、これを物権的請求権といいます。

物権的請求権には、次の3種類があります。

①返還請求権  所有権が占有によって侵害されている場合、その返還を請求すること
例)所有者でない者が、自分の建物に住んでいる(占有している)場合、出ていくように請求
②妨害排除請求権  所有権が占有以外の方法によって侵害されている場合、その排除を請求すること
例)所有者でない者の登記がある場合、その登記の抹消を請求
③妨害予防請求権  侵害されるおそれがあるときにそれを予防すること
例)隣地から自分の土地に土砂が崩れ落ちてきそうになっている場合、土砂が崩れ落ちない対策を講じるように請求

物権的請求権の要件
物権的請求権を行使するためには、以下の種類によって下記要件を満たす必要があります。

①物権的返還請求権
・請求する者に物権があること
・現に占有が正当な権限なく奪われていること

②物権的妨害排除請求権
・請求する者に物権があること
・現に占有が権限なく妨害されていること

③物権的妨害予防請求権
・請求する者に物権があること
・妨害の可能性があること

これらの要件を満たしているときに相手方に対して請求を行うことができるとされております。

【コラム執筆者】
司法書士事務所 Karma legal Office
司法書士 冨本 隆介