相続税の延納(分割払い)とは?②延納期間と利子税|税理士 成田佳大

掲載日 : 2017年5月6日

相続税を一括で納付することが困難な場合、一定の要件を満たすことにより、延納(分割払い)が認められています。
この場合、申告期限の翌日から分納税額の納期限までの期間に応じ、一定の割合を乗じて計算した利子税 がかかることになります。

延納期間と利子率
延納は、納期限から1年以内の一定の日を定めて、毎年同じ日に納付することになりますが、延納ができる期間は定められています。また、延納は納税を延期することになるため、延納期間に応じて利子税がかかります。
この、延納できる期間と利子税の利率については、相続財産の中に不動産等がどのくらい含まれているかにより異なり、以下の通りです。

不動産等の価額/
課税相続財産の価額
(=不動産等の割合)  
延納期間(延納利子税割合) 
不動産に対応する部分 その他の財産に対応する部分
50%未満 5年以内(年6.0%) 5年以内(年6.0%)
50%以上75%未満 15年以内(年3.6%) 10年以内(年5.4%)
75%以上 20年以内(年3.6%) 20年以内(年3.6%)

(注1) 不動産等の価額について、不動産等とは次に掲げる財産をいいます。
(1)不動産(棚卸資産となっている不動産を含む。)
(2)不動産の上に存する権利
(3)立木
(4)事業用の減価償却資産
(5)特定同族会社の株式または出資
(注2) 課税相続財産とは、相続または遺贈により取得した財産(非課税財産、みなし相続財産
を除く)をいいます。
(注3) 相続開始年に行われた被相続人からの贈与(相続時精算課税に係る贈与を含む)により取得した財産のうち、不動産等に該当する部分の価額は分母分子ともに加算します。
(注4) 一部の立木等については、上記表の割合でなく、別途定められた割合を用いることができます。

延納税額による延納期間制限
延納税額について、その金額を10万円で除して計算した数(1未満切上げ)に相当する年数を超えることができません。
つまり、不動産等の割合について、上記の表を満たしていても、延納税額に10万円を除して計算した年数が満たなければ、その計算した年数が最長延納期間となります。
例)不動産等の割合50%以上、不動産に対応する延納税額125万円
125万円÷10万円=12.5→13年が延納期間の最長期間となります。

利子税の計算
原則の延納利子税割合は上記の通りですが、低金利時代にこの利率は高いため、特例割合が設けられています。

延納利子税割合(年割合)×延納特例基準割合÷7.3%(0.1%未満の端数切り捨て)

(注1)延納特例基準割合とは、各分納期間開始の日の属する年の前々年10月から前年9月までの各月における銀行の新規短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として、各年の前年12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合。
(注2)平成28年度における延納特例基準割合は1.8%
平成29年度における延納特例基準割合は1.7%

条件変更及び物納への変更
延納を選択した後、資金力の変化などにより、延納条件を変更しようとする場合が考えられます。
その場合、変更条件その他一定の事項を記載した「相続税延納条件変更申請書」を、許可を受けた税務署長に提出することができます。
また、延納の条件変更によっても、金銭で納付をすることが困難とする事由が生じた場合については、納期限の到来していない延納税額(特定物納対象税額といいます)については、物納の許可を受けることができます(特定物納制度といいます)
「相続税特定物納申請書」に「物納手続関係書類」を添付して税務署長に提出します。
なお、特定物納の手続については、相続税の申告期限の翌日から10年以内に限られますので注意が必要です。

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【コラム執筆者】
税理士法人グローバルマネジメント
税理士 成田 佳大