相続における葬儀費用、遺産管理費用(固定資産税等)の負担の取扱い

掲載日 : 2013年9月27日

葬儀費用や固定資産税といった被相続人の「死亡後」に発生した「債務」については、誰が負担するのでしょうか。
葬儀費用は喪主というのが一般的です。しかし、それは喪主が香典を取得するという考え方とリンクすることが多く、その香典分で賄えない葬儀費用の取扱いについては、相続人全員が協力して葬儀を行っているような場合には、相続人の負担とすることもあるようです(実情と課題94頁、最近は、香典辞退の葬儀が増えていますから、相続人らが負担すべきという論調も増えるのではないかと思われます。)。

また、相続人が遺産を管理する場合には、遺産分割までの固定資産等の遺産管理費用は相続人らが負担するというのが実務の多数です。
民法885条は、相続財産に関する費用について定めていますが、そこでは「財産の中から支弁する」という表現が採られており「誰が支払う」という形になっていません。その理解は難しいのですが、例えば、財産分離(941条以下)や相続人不存在(951条以下)の場合を典型と考えるのでしょう。
そして、相続人らがいて、そのまま、相続人らが遺産を管理している場合には「相続財産に関する費用は、被相続人が負っていた債務ではないが、相続財産が負担する債務という意味で、相続債務の一種であることを定めた規定と読むほかない」とされています(内田「民法Ⅳ親族・相続」東京大学出版会364頁)。
結果として、相続債務は当然に分割されるので、固定資産等の遺産管理費用も相続分に応じて相続人らがこれを負担することになります。

例えば、被相続人の死亡後、相続人の一人が被相続人名義の預貯金を引き出し、葬儀費用や遺産管理費用を立て替えた場合、その内の相当額を他の相続人に訴訟で請求できることになります。

【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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